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update info, 仕事してるんです : つかさクリニック・完成写真アップ

Love the Lifeの作品「Tsukasa Clinic」のページを更新しました(Sep. 10, 2012)。Worksからご覧下さい。フォトグラファーは佐藤振一さん。

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北島町は徳島市のベッドタウンとして開発の著しい場所だ。元来は吉野川河口の広大な湿地帯であり、複雑な川筋とあぜ道とが絡み合うのどかな田園だった。近年、その風景はシネマコンプレックスを備えた大型ショッピングセンターの出店や集合住宅の増加によって急速に変貌しつつある。今後の市街地化の展開を正確に予測することは難しい。

「つかさクリニック」はこの町の中央を真っ直ぐ南北に切り裂く整備道に面した不整形な敷地にある。周辺には耕作地と住宅地とがモザイク状にひろがっている。敷地の三方は農地または空地に面し、日照と風通しは申し分ない。北西側の一角にはちいさな墓地がぽつんと取り残されている。ここではオンタイムもオフタイムも、生者も死者も、まるで当然のように隣り合わせている。こうした場所にある診療所は、日常から適度に切り離されていたほうが良いだろう。 その役割はある種の聖域のようなものかもしれない。

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私たちは各室を中廊下で接続するベーシックな計画手法をもとに、建物全体の形態が極力単純なものとなるようデザインを進めた。フレームは県産杉の集成材によるSE造とした。外装には火山灰を骨材とする左官を施し、櫛引きの柔らかな表情を与えることにした。開口は南北面に広く確保し、大型の木製ルーバーと中庭を設けることで視線を制御した。内装の要所はやはり県産杉の表情豊かな間伐材で仕上げた。

こうして現れたのは、白く角張ったボリュームに四方から木の質感を貫入させたような建物だった。その静かな佇まいは、周辺の混沌とした環境と相まって、まるでちらし寿司の中に置かれた豆腐のように唐突で、ユーモラスで、少しばかりミステリアスだ。

2002年11月06日 12:00 | trackbacks (0) | comments (0)
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