12/22。ここのところにわかに脚光を浴びている(心臓手術ミスで)東京医科大病院でヤギの原田病経過診察。
退院後もステロイドを服用しながら3週間に一度くらいのペースで通院してはいるものの、ここ数週間くらいは視力の低下も疲れ目も全く意識していない。気分的にはほぼ完治。この日の診察も問題無し。
ブレドニゾロン錠は一日おきの1錠(たぶんステロイド0.5mgに相当)にまで服用を減らすことになった。年明けすぐに一度採血して、検査結果に異常がなければ(免疫抑制機能が順調に回復していれば)1月半ばには薬漬け生活から開放される。
12/20。クライアント宅で『庭と発電機と私(仮)』の打ち合わせ。この日の中心的話題は1Fの庭に面したミーティングルーム。暮らしと仕事とが明確な区切り無く連続するクライアントが様々な人々と会って過ごすための、小さなホテルのロビーのような開放的空間。
住宅物件では敢えて視覚的なアイデンティティとなるようなものを設けず空間構成そのもので勝負することの多いlove the lifeとしてはちょっと珍しい濃ゆめのデザイン。その他には電柱移設や測量、地盤調査の中間報告など。
12/7。現在進行中の戸建て住宅物件『庭と発電機と私』の途中経過を説明にクライアント宅へ。平面プランの微調整、電柱移設に関する東京電力との打ち合わせ、地盤調査と測量の実施日程、などなどについて報告と確認。この日のミーティングで最も重要な課題だったのは庭。スケッチと模型、植栽のイメージ写真などを並べて概要を説明。これまで住宅部分のプランニングについては何度となく打ち合わせして来たけど、庭について具体的なイメージを見せるのは初めて。実はこのプロジェクトのキモは庭だったりする。
箱が積み重なったような外観はもうちょいかわいらしくデザインを調整する予定。ガーデニングがやけにショボいのはとりあえず、ってことでどうぞご勘弁を(求む教育的指導)。。。
1Fと2Fの両方にメインエントランスがあったり、ブリッジあり、ルーフテラスもあり、と、けっこう盛りだくさんな構成のわりにスッキリした庭になりそうで良かった。いや、むしろスッキリし過ぎだろうか?そんなこんなで、細かい部分を中心にまだまだ悩み中。もう一息のところまでは来てる気がするんだが。
とは言え、そろそろ悩んでる場合じゃないので年末年始は休み無しで頑張る予定。
以前からの懸案だった自家発電設備については、いろんなシステムを研究した結果どうにもこうにも減価償却できそうにない(発電の性能に比べてイニシャルコストが高過ぎる)ため残念ながら中止の方向に。発電機が無くなるってことはプロジェクト名も変更しなくては。
もう一ヶ月も前の話しだけど忘れないうちに書いておく。11/6に青山円形劇場で第三回青山寄席・笑福亭鶴瓶落語会を見て来た。鶴瓶師匠の演目は「へっつい幽霊」と「青木先生」のふたつ。以下、落語初心者の書くことなので、的外れには温かいご指導をゼヒ。
「へっつい幽霊」はへっつい(かまど)に住み着いた博打好きの幽霊をめぐる騒動を描いた上方の古典落語。登場人物は見事にダメ野郎ばかりなんだけど、鶴瓶師匠の噺にかかるとその全員がなんとも愛らしいキャラクターとして演じ分けられるのが印象的。
「青木先生」は鶴瓶師匠の実体験が下敷きの創作落語(こういうのを師匠は私落語(わたくしらくご)と言う)。高校時代、授業中にクラスぐるみでさんざんからかった老教師・青木先生のエピソードが若干の脚色とともに語られる。まずはスルガ少年を中心に手を替え品を替えて繰り返されるシュールかつハイレベルな悪ふざけの数々に驚くとともに抱腹絶倒(こんな男子校の先生にだけはなりたくないと思った)。最後は少々いびつなかたちの師弟愛に曲がりなりにもほろりとさせられそうになったところで急転、青木先生の絶叫とともにおしまい。師匠の演技力はひたすら青木先生の物真似のみに注がれて、噺は極めてシンプルに展開する。高座は異様な迫力に満たされ、観客席は笑いの渦とともに一言一句聞き漏らすまいとする緊張感に包まれた。この感覚は以前見た談志師匠とも文珍師匠とも全く別物だ。
この日は鶴瓶師匠の他に桂昇蝶さんと笑福亭達瓶さんが登場。前説で二人のことを面白可笑しく丁寧に紹介する鶴瓶師匠は実に親分肌だなあ、と感心。そして昇蝶さんの噺を見ることができたのは思いがけず大きな収穫だった。
この人は故・二代目桂春蝶師匠の筆頭弟子。演目は師匠の傑作「昭和任侠伝」。前半、任侠映画のカメラワークを事細かに説明する部分があって、これが完全に落語になっているのが素晴らしい。後半は高倉健に憧れる間抜けな八百屋の倅の噺。昇蝶さんの軽妙な語り口や表情は泣けてくるくらい在りし日の春蝶師匠にそっくり。しかしそのディテールには彼だけが持つ乾いた感覚と鋭いエッジがはっきりと存在する。凄いぞ。これは春蝶落語の現代版だ。しかも最高に面白い。
ところが昇蝶さんには引きこもりの気があるらしく、高座で姿を見ることのできる機会はほとんど無いらしい。なんとも落語のようなはなしだ。ああ、しかしなんと勿体ない!