1/22。北とぴあ・さくらホールで『立川談志独演会』を見た。
時事ネタ満載の小咄や雑談がこのまま終演まで行っちゃうんじゃないかというくらいに延々続いたかと思うといきなり演目に突入、というのが談志師匠の高座のスタイル。さらには演目の途中で急に雑談の続きに戻ったりするんだけど、最終的にはひとつながりのパフォーマンスとして実に奇麗にまとまったように感じさせられてしまう。前にも書いたが、この人の芸とこの人が日々考えたり感じたりしていることとの間には全く境目が無さそうだ。
で、演目は『木乃伊とり』(みいらとり)と『死神』。『木乃伊とり』ではハチャメチャな展開に爆笑の連続。一方、『死神』ではキレ味抜群にアレンジされたなんとも粋なエンディングに痺れた。どちらも談志師匠の抜群の演技力を強力に印象づける演目。特に死神の表情は本当に怖かった。。。
談志師匠はこの日の雑談の中で、現代の事情とは随分違った古典落語の時代背景について触れ、『芸をやる人間には古典と現代とのあいだを繋ぐ覚悟がなくちゃだめだ』と言ったことを話していた(実際の言い回しとは少々違うが)。重たい言葉だと思う。今この時代にデザインを手がけている私たちにも、おそらくそれだけの覚悟が必要なのだ。