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珈琲の美味しい店 : 銀座・ランブル / 南千住・バッハ

3/15。カレーで腹ごしらえの後、珈琲の名店をはしご。

勝野は大のコーヒー好き。しかし、東京にやってきてからかれこれ10年が経つと言うのにまだ足を運んだことの無いコーヒーの名店は多い。この日巡った2件はまさしく名店中の名店との呼び声高い『CAFE DE LAMBRE』(カフェ・ド・ランブル)と『Cafe Bach』(カフェ・バッハ)。

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先ずは南千住。地下鉄駅前の歩道橋を越えてすぐの大きな道路に沿って浅草方面へ。泪橋の交差点を過ぎてさらに少し歩くと右手に『バッハ』(上の写真左)が現れる。1968年オープン、72年から自家焙煎を開始したという。
この辺りはいわゆる山谷と呼ばれる地域。大阪で言うと西成みたいなもんだけど、昼間歩いてる分には特に身の危険を感じるようなことは無い。と言うか、道の広さに対して人や車の通りがやけに少ない。「こんなところで客が来るのかしら?」と思いつつ自動ドアから入ると、3、40席くらいの店内は驚いたことにほぼ満席状態だった。この店は地元に愛されている。
内装・外装を含め、店のつくりは言及するまでもない代物だが、カウンターバックにずらりと並んだコーヒー豆のガラス瓶にはしっかりとスポットライトが当たっている。見事に粒の揃った美しい豆。店に立つ4名ほどのスタッフはみな若いが、無駄の無い動きはまさにプロフェッショナルのそれだ。
カウンター席の一番奥でバッハ・ブレンドとカフェ・シュヴァルツァーを注文。バッハ式と呼ばれるオリジナルのペーパードリップがこの店の特徴のひとつ。バッハ・ブレンドは実に香り高く、豆のもつふくよかな甘みがふわりと口の中に広がる。他には余計な味も香りも一切感じない。とてつもなくストレートでクリアなコーヒーだ。一方カフェ・シュヴァルツァーは深入りの豆から抽出された濃厚なコーヒー。豆のうまみとクリアな苦み。一緒に出される小さなグラスに入ったソーダ水と交互に飲めば何度でも新鮮な味わいが楽しめる。これはなんと合理的な供し方か。
続いてリースヒェンと苺のショートケーキを注文。リースヒェンは冷たい濃縮コーヒー。これが凄かった。クリアなコーヒーにとろりとした舌触りとほのかなカラメルの風味が相まって、官能的な味わいを醸し出す。苺のショートには突出したところは無いが、コーヒーの楽しみを邪魔しないシンプルさに好感が持てる。
生豆の香りとうまみだけをストレートに味わえる店。洗練の極み。また行かねば。

Cafe Bach(カフェ・バッハ)/東京都台東区日本堤1-23-9
03-3875-2669/8:30-21:00/金休

地下鉄で銀座へ移動。『ランブル』は首都高速にほど近い東京三菱銀行の裏手にある。創業はなんと1948年。現在の店舗は隣店の火災に巻き込まれて移転した後のものらしいが、すでに十二分に古びていい感じの店構え(上の写真右)。看板には「珈琲だけの店」と書いてある。オーナーの関口一郎氏は自前のエージングルーム(コーヒー豆をわざわざ何年も寝かせて味がさらに良くなるのを待つ)まで所有する求道者のような人物と聞く。
店内に入るとBGMがJ-Waveだったのにはちょっと面食らったが、壁・天井にラワン材を多用した内装はすっきりとしたつくりながらも味わい深い。カウンター前に設えられた椅子は足掛けから張り出した軸に固定されている。この軸と座面がともに回転するのが面白い。よく出来ている。
二十数席ほどのちいさな店を切り盛りするお二人はご夫婦だろうか。常連と思しき年配の男性客に少々気後れしつつ、カフェ・ノワールとドゥミ・タッスを注文。こちらはネルドリップ。香り、甘み、酸み、苦みの全てがはっとするほど鮮やかなパンチ力満点のコーヒー。ドゥミ・タッスのまろやかさと味わい深さはまさに珠玉。オリジナルのドゥミ・タッス用カップは取手が無いのが特徴的。念入りに抽出する間にコーヒーが適温に冷めるため、取手は必要ないのだ。
さらにオリジナルメニューのカフェ・オ・レとマサグランを注文。マサグランは小さなグラスで供される濃くて冷たいブラックコーヒー。こちらも予想通りの逸品だったが、意外にも私たちが衝撃を受けたのはカフェ・オ・レの方だった。そのままでも絶妙なバランスのコーヒーにミルクが加わるわけだが、そのバランスが崩れるのではなく別の地点に見事に着地した感じ。しばらく堪能したところで一緒に供される砂糖とナツメグのパウダーを少し加えれば、その素晴らしいコクと風味が2度楽しめる。文句無しに過去最高のカフェ・オ・レだった。
コーヒーの全てを味わい尽くすことのできる店。また行かねば。

CAFE DE LAMBRE(カフェ・ド・ランブル)/東京都中央区銀座8-10-15
03-3571-1551/12:00-22:00(日祝12:00-19:00)/無休

2005年03月18日 04:59 | trackbacks (0) | comments (0)
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