10/4。打ち合わせ帰りに展覧会を4つ見た。
・佐藤晃一,黒田泰蔵,内田繁,他「現代茶の湯の道具展」 ギャラリー ル・ベイン
・エットーレ・ソットサス「nuovi materiali antichi」 ギャラリー MITATE
・小泉誠「KuRaSiGoTo」 ギャラリー間
・BRAUN展 AXIS GALLERY
・現代茶の湯の道具展
この日はちょうど初日。西麻布ル・ベインの中庭に据えられた内田繁氏デザインの茶室とその周りでは茶会の準備が行われていた。
参加作家が多いため、ギャラリーでの展示はそれぞれ小規模なもの。しかし作品はどれも独創的で素晴らしい。特に金工家・金子透氏とガラス作家・辻和美氏による花器や食器は印象深かった。
私たちは茶の湯には全く馴染みが無いんだけど、茶の湯の持つトータルコーディネートとしてのコンセプトと手法に注目すれば、おそらくそこにはすぐさまデザインへの応用の効くさまざまな示唆が見いだせるのだろうと思う。若いうちにやっとけば良かったな。
・エットーレ・ソットサス nuovi materiali antichi
上の展覧会場の向かいにあるショップ『MITATE』でなんともこぢんまりと行われている展示。しかしウィンドウに沿ってずらりと並べられたちいさな木製の箱家具やガラスと金属の花器の放つオブジェとしての存在感は凄まじい。これらは全てソットサス氏のデザインと工芸的手法によって制作されている。まさにポストモダンの極み。時代は変わろうと、デザインはこうした豊かな造形と装飾によって表現される迫力を決して失ってはならない。と自己反省。
・小泉誠 KuRaSiGoTo
これだけ隅々までしっかりと手間のかけられた展覧会をギャラリー間で見たのは何年ぶりか。先ずはライティングの絞り込まれた会場中央を貫くJパネル製のトンネルに圧倒される。これは国立市にある小泉誠氏のショップ兼ギャラリー『こいずみ道具店』を再現したもの。会場はトンネルによって間仕切られ、またトンネル内も展示スペースとすることによって実に巧みに構成されている。家具を中心とするプロダクト作品の数々はまるで以前からそこにしつらえられていたかのような佇まい。
トンネルはガラス面を挟んで屋外へと伸び、アウトドアテーブル&スツールと相まって、中庭を小泉デザインの空間へと変貌させている。
上階の展示室はガラス面が塞がれ、外光がシャットアウトされた状態。ドアを開け、細いアプローチを抜けて大テーブルの置かれた展示スペースへ。間仕切りは発砲スチロールで出来ていて、ところどころMDF製の什器がきれいにはめ込まれている。
大テーブルの中央には20数冊からなる『今までの仕事ブック』が収納されている。これはおそらくひとつひとつ手作業で丁寧に製本されたもの。内容はと言うともう読み応え満点。全部にちゃんと目を通したら一体何時間かかることやら。しかし読みたい。と言う訳で、できれば何度も足を運びたくなる実に質の高い展覧会だ。今度は陽のあるうちに訪れて、中庭周辺の光の移ろいを楽しみたいと思う。
カタログを購入するため受付に戻ると、いつもは白い化粧板のカウンターがちゃんと木で覆われていた。小泉氏の作品はいつも人の動作と思考の狭間にあるインターフェイスを思い起こさせる。そのデザインはかくも優しく、そして執念深い。リスペクト。
・BRAUN展
何年かぶりにAXIS GALLERYへ。クローズが近かったので駆け足で見たが、BRAUN社のデザイン思想のみならず、織咲誠氏による会場構成の素晴らしさに感激。ディスプレイデザインに関わる人は必見だ。おかげで今のBRAUN製品のデザインがいかにダメになったかということが良くわかる。
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