9/29。買い物のついでに『フジキッチン』へ。浅草仲見世の裏通りにある洋食店。
狭く雑然とした通りにあって、控えめな外観がかえって目を引く。軒先がエントランスの部分だけ切り欠いてあるのがかわいらしい
ドアをくぐると、中は14、15人も入れば満席という小ささ。木の羽目板に覆われたインテリアはかなりの年代物(オープンしたのは1959年と聞くが確かではない)だが手入れが行き届いている。ビニールレザー張りのチェアもこれまた見るからに年代物。小振りながら実に座り心地が良い。ブラケットライトやレースのカーテンなど、ちょっとした装飾が狭い店内に暖かみのある雰囲気をつくりだしている。フロアを仕切るおばちゃんは一見おっかない(失礼)。でもちゃんと荷物を預かってくれたりと応対は悪くない。ここは浅草なんだな、と思わせる。
ビーフシチューと車海老のフライを注文。ビーフシチューと並ぶ看板メニューのタンシチューはBSEがらみで現在はメニューから除かれているようだ。
で、このビーフシチュー、噂以上の素晴らしさだった。デミグラスソースは実にどっしりと濃厚。ボリュームのある肉のかたまりはナイフでおさえただけでくずれるほどに柔らかく、噛み締めるほどに深みのある味わい。強力なデミグラスソースとの相性はまさに抜群。
車海老のフライもボリュームたっぷり。粒の大きめなパン粉については好みの別れるところだとは思うが、弾力のある食感と食べ応えは十二分だ。
かわいらしい外見に似合わず強力なインパクトを秘めた店。会計時、カウンターの奥にちらっと見えた店主氏の柔和な笑顔が印象的だった。
次に行った時はハンバーグとカニコロッケを食べてみたいな。
フジキッチン/東京都台東区浅草1-20-2/03-3841-6531
12:00-15:00,17:30-20:00(LO)/水休