東京に戻るのは1/2の夜遅くになる予定です。
実家で無事ADSL接続できたら、あちらでも何か記事を書くかもしれません。
そんなわけで、皆様ひとまず良いお年を!
Love the Lifeの作品「Yumegumi Shin-matsudo」のページを更新しました(Sep. 05, 2012)。Worksからご覧下さい。フォトグラファーは佐藤振一さん。
このプリン専門店はJR新松戸駅そばの古いビジネスホテルの地上階にあった。ホテルとは言うが低層階にはインターネットカフェやダイニングバー、中国整体、ゴルフ練習場などが入居しており、ほぼ雑居ビルの様相だ。駅前ロータリーにはけやき通りと呼ばれる整備道と新坂川、さらには流山電鉄の線路がろくに信号も無い状態で交錯し、周辺の往来はいつでも混沌としている。店舗区画はもともとビルの共用階段下だったところを賃貸できるようにしたもので、以前は銀行ATMとして使用されていた。
とにかく予算も時間も無いプロジェクトだったため、私たちは網入りガラスのサッシ、金庫のようなステンレスの扉、自動ドア、ボーダー型の行灯看板やエアコンなどをATMからそのまま引き継ぐことにした。あとは冷蔵ショーケースを置けば店はほとんど完成に近い。
私たちがデザインしたのは最低限の間仕切りと造作、そして店内に25ミリ幅で描かれた赤いラインくらいなものだ。2本のラインは互いに空間の2点で直交するよう単純に配置した。2、3人も訪れれば満員の小さな店は、夕刻になるとまるでリボンの掛かった透明なギフトボックスのような姿を雑踏に浮かび上がらせる。
love the lifeがファン代表として制作させていただいている野井成正さんのホームページ『noi-shigemasa.com』に新旧4作品の写真を追加。見るべし!
2005年の新作『コシノアヤコ』はコシノ姉妹の母上(御歳92とのこと)のブティック兼サロン。2階建ての木造住宅のリノベーションプロジェクトで、場所は岸和田の商店街アーケード沿い。立て板張りのファサードは2F部分が跳ね上げ式の窓になっていて、だんじり祭りの時には出車の通り過ぎる勇壮な様を特等席で眺めることが出来るのだそうだ。トップライトからの自然光を見事に生かしたインテリアがまた素晴らしい。
写真を撮るヒマも無い怒濤の年末進行。
日付は一気に12/20へ。
後回しになっていた2Fの内装工事が本格開始。
キッチンカウンター周りの下地が組み上がりつつある状況。
JAXSONの大きな円形バスタブがやって来た。わりとこぢんまりして見えるのはバスルームが広いから。
ふたたび12/10。『リスン京都』に続いて足を運んだのは『Maison Henri Charpantier』(メゾン・アンリ・シャルパンティエ)。芦屋と銀座に本店を構えるフランス菓子店、アンリ・シャルパンティエの新しいフラッグショップ。2005年4月オープン。
JRの芦屋駅で電車を降りて7、8分歩くと三角屋根を二つ連ねた建物が現れた。中央の通路を挟んで向かって右側がショップ(ブティック)、左側がカフェ(サロン・ド・テ)。周囲の雑然とした環境とは一線を画すシンプル極まりない佇まい。郊外高級住宅地の幹線道路沿いと言う立地に対応し、配置計画はクルマでのアクセスを重視したものとなっている。
インテリアに用いられた本棚などのモチーフは銀座本店と共通するが、こちらの造作は色といいかたちといい徹底的にミニマル化されている。壁と天井を覆い尽くす大胆なパターンはキャンバス地にインクジェットプリントされたもの。なんだか自分自身のスケールが縮小されてドールハウスの中に唐突に置かれたような気分になった。なかなかシュールで新鮮な体験だ。
サロン・ド・テの天井からはクリスタルビーズが贅沢にあしらわれたビッグサイズでこれまたシンプルなフォルムのシャンデリアがひとつぶら下がり、外側から紫色のスポットライトに照らされている(シャンデリアが若干ピンク色に染まっているのが写真から分かるだろうか)。夜ともなればさぞかし幻想的な光景となるに違いない。
とは言え、天井高の7m以上はあろうかと思われる開放的な空間で、ロールスクリーン越しに日差しを感じながらゆったりと午後を過ごすのも悪くない。店のつくりほど洗練されてはいないものの、サービスも十分に行き届いている。いただいたのはマロンとオレンジのデザートプレート。どちらも実に楽しく、美味だった。
建築とインテリアのデザインはジャンフィリップ・ニュエル氏。実施設計は乃村工藝社の上妻玲さんと丹田勝巳さん。
Maison Henri Charpantier(メゾン・アンリ・シャルパンティエ)
兵庫県芦屋市楠町10-17/0797-23-8181
9:00-22:00(ブティック),10:00-22:00(サロン・ド・テ)
無休(元日を除く)
12/10。神戸で私用のため羽田から伊丹空港へ。一年ぶりの関西だけど時間が全然無い。ピンポイントで2カ所だけ視察に向かうことにした。先ずは京都。
念願の『リスン京都』とのご対面。2004年にオープンしたインセンス(お香)ショップ。インテリアデザイナーは心の師匠in大阪・野井成正さん。場所は四条烏丸にある『COCON』の1F奥。スクエアなガラス面を通して、ダークグレーの空間に波打つようなフォルムが白く鈍い光を放つ様子が見える。
写真で見て想像していたよりもすべてのスケールがひとまわり大きかった。ショップとバックヤードとを仕切る漆喰の壁面も、ガラスの什器を支える細いスチールロッドの束も、スケルトンの天井に向かって悠々と伸び上がり、しかもそれらが実にゆったりとした間合いをもって配置されている。なんと贅沢な空間か。まるで水墨画の中に紛れ込んだような気分。
床面の瓦タイルの質感もこの空間に独特な浮遊感を与えることに一役買っている。『COCON』では本来ウッドタイルが床面の共通デザインなんだけど、これに染み込んだオイル臭がお香のショップには甚だ適さない、と言うわけで、この店だけ特別に変更が許されたとのこと。
近年如実にその切れ味を研ぎ澄ませつつある野井作品。中でも『リスン京都』は群を抜いた傑作だ。必見。
インテリアデザイナーも60過ぎてからがますます面白い。
リスン京都/京都市下京区烏丸通四条下ルCOCON/ 075-353-6466
11:00-21:00/不定休
隈研吾氏の手がけた『COCON』の環境デザインについては、、、ノーコメントってことでひとつ。
12/8。引き続き木下地組が進行中。
1Fの下地はほぼ完成。このフロアの内装は木ごころさんが担当する。上の写真奥は電機屋さんと打ち合わせ中の飛澤さん。
構造用合板の天井面に空調用の開口が奇麗にならんだ。ここに到るまでになんだかずいぶんと設備配置の調整に苦労したなあ。やれやれ。
他のフロアも内装工事まであと一息。大工の鈴木さんの腕が本当に素晴らしいものであることは下地を見るほどに良くわかる。鉄骨よりも丈夫な木下地。
今後は鈴木さんと飛澤さんの共演が楽しみだ。
12/7。松戸のプリン屋さん『夢組』の完成写真撮影に立ち会い。14:00過ぎに現場入りして商品や小物をディスプレイ。
15:00過ぎにフォトグラファー・佐藤振一さん登場。先ずは全ての蛍光灯(ビルのダウンライトにまで!)に色調補正のためのフィルターが巻かれる。いつものことながらこれが結構大変な作業。
日没(16:30頃)ちょうどくらいから本格的に撮影開始。小さな店ながら5、6カットを撮っていただくことが出来た。
通りがかりの人が何度も店の前に立ってはしげしげと眺めてゆくため、その度撮影は中断。冷蔵ショーケース内に積まれたプリンの吸引力は抜群だ。20時前に終了&撤収。
そして翌日12/8に『夢組新松戸』オープン。宣伝らしいことはまったくしなかったにもかかわらず、売り上げはなかなか好調の様子。良かった。
お店の全景写真は後日あらためてアップします。
12/6。松戸のプリン屋さん『夢組』の工事も残りあとわずか。この日は冷蔵ショーケースの搬入・設置と一部照明器具の取付け工事が平行して行われた。
冷蔵ショーケースはダイヤ冷ケース・大熊さんに特注した幅1400の小さなもの。しかしながらこの店に置けるギリギリのサイズ。自動ドアの開口とのスキ間はほとんど無く、搬入は冷や汗もの。
上の写真は全ての工事が終わった後の店内。小泉産業・鈴木さんに超特急で作っていただいた特注のペンダントライト(フランジ部分がダウンライトっぽく埋込式になっているのがミソ)もご覧の通りなかなかいい感じにハマった。
翌日はいよいよ完成写真の撮影日。
全部消しちゃいました。一応バックアップは取ったので、時間のあるときに地道に再アップします。
ついでにMoveble Typeをバージョンアップ。ひとまずこれで万事上手く行くといいんですが。。。
12/5。新松戸駅前の『夢組』現場へ。冷蔵ショーケースの設置とダウンライトの取付けだけを残して、工事はこの日でほぼ終了。16:00過ぎに到着すると、ちょうどクリーニングを終えた木ごころ・本城さんと山口さんが帰り支度をしているところだった。
施工状態のチェックを済ませ、鍵を受け取って、お二人を見送った後で再度じっくりと現場を見回しつつ写真を撮った。空間を十文字に分割する赤いラインが予想以上の視覚効果を発揮している。良かった。一安心。
点灯可能な照明は蛍光灯の間接照明だけなので、実際のライティングとはだいぶ異なるが、これはこれでなかなかいい感じ。
デザインから完成までがこれだけ短期間だと、なんだか店を作った気がしない。1/1の模型を見るような感覚とでも言うべきか。
看板を点灯させると道行く人々がかなり頻繁に立ち止まる。時折「おいしいプリンだって!」と言う声も聞こえて来た。オープンまであと数日。松戸の皆さん、もうしばらくお待ち下さいね。
12/1。前々月末にスタートしたプリン屋さんの新装プロジェクト『夢組新松戸』。その後あっという間にデザインが決まり、施工の段取りも整って、工事がはじまった。こんなにスピーディーな進行はlove the lifeとしては極めて異例。極小店舗だからなせる技。
11/20に木ごころさんとクライアント・廣瀬さんとの施工契約が交わされ、11/24に着工。その後一週間足らずで下地組やボード貼りなどの大工仕事は順調に完了し、この日は塗装工事2日目。3坪のうち倉庫部分を除けば店舗面積は実質2坪を切る狭さなので、同時に作業できるのはせいぜい1、2人。夕方現場に着くと、塗装屋さんが一人で頑張って下さっていた。
すでに床は貼り終わり、電気工事も照明の取り付けを残すのみ。現場にはこの店のためにデザインして小泉産業・鈴木さんに超特急で作っていただいた特注の小さなペンダントライトがすでに届いていた(写真右)。実際に取付けた様子はまた後ほど。