12/10。神戸で私用のため羽田から伊丹空港へ。一年ぶりの関西だけど時間が全然無い。ピンポイントで2カ所だけ視察に向かうことにした。先ずは京都。
念願の『リスン京都』とのご対面。2004年にオープンしたインセンス(お香)ショップ。インテリアデザイナーは心の師匠in大阪・野井成正さん。場所は四条烏丸にある『COCON』の1F奥。スクエアなガラス面を通して、ダークグレーの空間に波打つようなフォルムが白く鈍い光を放つ様子が見える。
写真で見て想像していたよりもすべてのスケールがひとまわり大きかった。ショップとバックヤードとを仕切る漆喰の壁面も、ガラスの什器を支える細いスチールロッドの束も、スケルトンの天井に向かって悠々と伸び上がり、しかもそれらが実にゆったりとした間合いをもって配置されている。なんと贅沢な空間か。まるで水墨画の中に紛れ込んだような気分。
床面の瓦タイルの質感もこの空間に独特な浮遊感を与えることに一役買っている。『COCON』では本来ウッドタイルが床面の共通デザインなんだけど、これに染み込んだオイル臭がお香のショップには甚だ適さない、と言うわけで、この店だけ特別に変更が許されたとのこと。
近年如実にその切れ味を研ぎ澄ませつつある野井作品。中でも『リスン京都』は群を抜いた傑作だ。必見。
インテリアデザイナーも60過ぎてからがますます面白い。
リスン京都/京都市下京区烏丸通四条下ルCOCON/ 075-353-6466
11:00-21:00/不定休
隈研吾氏の手がけた『COCON』の環境デザインについては、、、ノーコメントってことでひとつ。