再び12/29。『岡田製糖所』で買い物の後、阿波市土成町へたらいうどんを食べに行った。
この辺りには鎌倉時代に土御門上皇の仮御所があったのだそうだ。で、後に村名を御所村としたが、隣の土成村と合併して土成町に、さらに昨年に阿波郡と合併して阿波市の一部となった。今でも徳島の人はこの一帯のことを“御所”と呼び、“御所のたらいうどん”はその名物料理として親しまれている。
たらいうどんのビジュアルはご覧の通りのド直球。どの店に行ってもこんな感じ。ただし、うどんの太さや食感、だしの味は店によって大きく異なる。
たらいうどんのルーツは江戸時代の木こりの人々の仕事納めの振る舞いで、もとは釜上げのうどんだった。昭和の初めに時の県知事が当地のたらいみたいな器に入ったうどんがうまかったと言う話をしたことから、現在のスタイルが広まり定着したらしい。伝統的なたらいうどんのだしは“じんぞく”と呼ばれる川魚をベースとしたもので、独特の風味は一度食べると忘れ難い。これまでに食べた数店の中では『新見屋』のだしが一番うまかった気がする。
この日訪れたのは『かねぎん坂野』。現在一帯に10店以上を数えるたらいうどん店の中でも土成IC寄りの場所にあるごく一般的な大型店。うどんは少しかためでもちもちとした粘り気のある食感。だしはじんぞくベースではなく、鰹節と煮干しベースでくせの無い薄味。観光客にも受け入れられやすい味だろう。
たらいうどん店でのうどん以外の定番メニューと言えば川魚(上の写真左・アメゴの塩焼)と沢蟹(上の写真右・素揚)と釜飯。沢蟹の素揚はまるのままバリバリといただく。野趣有り過ぎ。
かねぎん坂野/徳島県阿波市土成町宮川内落久保104/088-695-2081
10:00-20:00(LO19:00)/木休