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都市とデザインと : 徳島・うだつの町並み

帰省中の話題も最後。12/31。美馬市脇町にある“うだつの町並み”のある通りに立ち寄った。

うだつ(卯建)というのは、延焼を防ぐために商家の1Fの屋根と2Fの屋根の間に作られた防火壁。わりとお金のある家にしか無かったことが「うだつが上がる」という表現のもとになっている。瓦や左官で装飾を施されることも多い。うだつを残した町並みは今でも全国にいくつかあるようで、脇町もそのひとつ。お隣の美馬郡つるぎ町には“二層うだつの町並み”というのもあるそうだ。

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上の写真は明治期まで使われていた船着場(吉野川に平行して水路が設けられていた模様)の跡を整備した道の駅から、うだつの町並みのほぼ中央に位置する吉田邸を見たところ。動線を重視した要素の少ないプランニングに好感が持てる。

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船着場跡を横切って吉田邸の敷地へと渡ると、質素な佇まいながら実に美しく整備された中庭が現れる。手前の新しい建物はショップとカフェを含む脇町周辺の案内施設で、写真に見えるのが古くからある吉田邸の建物群。吉田家は商号を『佐直』と言い、幕末から明治期にかけて大いに栄えた藍(天然染料の一種・インディゴ)商。

この建物のインテリアが実に素晴らしいんだけど、時間が遅かった上に大晦日とあってあいにくこの日は閉まっていた。この写真左は中庭の別カットで、右は吉田邸を通り抜けたところにある町並みの一部。

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夕刻の脇町。街灯を主に足下から数十センチの低い位置に置いてあるのが印象的。赤みの強い暖色の光がまたいい感じ。

ここ数年、この町は訪れるたびに少しずつその魅力を増しているように思う。普通の生活の場としての機能をちゃんと維持しながら、必要最小限の整備を時間をかけて、しかもセンス良く行いながら町並みを保全してゆくことは実はとても難しいはず。次回帰省した際にもぜひまた訪れてみたい。

そう言えば「うだつ」がほとんど写真に写ってなかったな。ま、いいか。

脇町/藍の出荷で栄えた商人町(JAPAN-GEOGRAPHIC.TV)
脇町・うだつの町の風景(日本の写真集/デジタル楽しみ村)
懐かしさ漂う脇町を歩く(徳島県ホームページ)
美馬市ホームページ

2006年01月08日 21:21 | trackbacks (0) | comments (0)
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