2/3。仕事帰りに偶然見つけた『HEYWOOD WAKEFIELD』に立ち寄った。1826年創業のアメリカの家具メーカー。場所は西麻布交差点と広尾の駅の中間くらいの外苑西通り沿い。2006年1月にオープンしたばかり。モルタルとステンレスとクリアガラスによるシンプルで質感の高い店構え。
アメリカの家具については全く知識のない私たちにとっても『HEYWOOD WAKEFIELD』の名前は特別なものだ。出会ったのは目黒通りにあるアンティーク家具の老舗『ACME』の最上階。自由が丘に住んでいた頃だからもう7年ほど前になる。ただでさえ質の良いリペア家具の揃った『ACME』だが、中でも『HEYWOOD WAKEFIELD』の家具の持つぽってりしたフォルムと生き物のような存在感は大いに異彩を放っていた。また、余計な要素を大胆にそぎ落としたミニマルなディテールは大いにデザイナーのハートを刺激する。当時は引出しを開けたり扉を開いたりするたびに「おおっ!」と小さな叫びをあげていたものだ。無垢の木材だけで表現された「懐かしい未来」。チェストかサイドテーブルあたりをぜひ一台購入したいところだったんだけど、その価格に踏みとどまらざるを得なかった。
不勉強な私たちは『HEYWOOD WAKEFIELD』のことをミッドセンチュリーの量産家具に淘汰されてとっくに無くなってしまった会社だと思っていた。まさか今になって、こんなところに立派なショールームができるとは。
久しぶりに触れる事のできた『HEYWOOD WAKEFIELD』の家具(新品!)は、相も変わらずペットのような愛らしさとクールなディテール、高い質感を持ち、そして思わず冷や汗のでるような値札を下げていた。いつかこれを手に入れる事の出来る日は果たして来るだろうか。
HEYWOOD WAKEFIELD (Japan)
HEYWOOD WAKEFIELD (USA)