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身体と空間の芸術 : 宮島達男「FRAGILE」

3/4。宮島達男「FRAGILE」を見に行った。

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場所は谷中霊園そばの『SCAI THE BATHHOUSE』。当地に200年ほどの歴史をもつ銭湯『柏湯』を改装したギャラリー。天井高のある魅力的な大空間を持つ。下の写真はその外観。

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宮島氏の新作展を見るのは2002年にここで開催された「WHITE IN YOU」以来のこと。当時の展示を思い出しながら、今回の「FRAGILE」を見ると面白い。どちらも宮島氏のトレードマークとも言える7セグのデジタルカウンターを主要な素材としてはいるんだけど、それぞれの作品シリーズの印象は対照的だ。
『WHITE IN YOU』(2002)はLEDと平面ミラーの組み合わせによる作品シリーズ。LEDの発光部分のみ銀吹きを抜いたミラーの底から白い数字が浮かび上がる。えも言われぬ奥行き感を伴ったそれらの作品は、およそハードウェアとしての実体を意識させないほど細部まで見事に洗練されていた(まさにデザイナー魂をシビれさせるオブジェ)。
対して今回の『FRAGILE』(2006)ではおそらく配線を兼ねた網状の立体フレームの中に無数の小さな赤いLEDカウンターがちりばめられている。カウンターの配置はランダムで、カウントするスピードもまちまちだが、直径1mmに満たないようなか細いフレームによって繋がり合い、互いに支え合うようでもある。FRAGILEのタイトル通り、それらの存在はいかにも脆く儚げだ。他に水槽と赤色LEDによる作品や、タペストリーガラスにカウントが浮かび上がる作品『Counter Window』の展示もあった。

「WHITE IN YOU」と「FRAGILE」の対比は私たちに“聖”と“俗”を思い起こさせる。それらは一見遠く隔たっているようだけど、どちらも私たちの生きる世界のある一面をあらわしているように思う。

宮島達男「FRAGILE」
SCAI THE BATHHOUSE

2006年03月08日 17:00 | trackbacks (0) | comments (0)
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