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都市とデザインと : 千鳥ヶ淵に赤いビル

3/15のニュースより。ちなみに記事中に登場するガエ・アウレンティ氏はフランス・オルセー美術館のデザインを手がけた人物。

千鳥ヶ淵に赤いビル、これがイタリア感覚?
東京・千鳥ヶ淵のほとりに立つ赤い壁のビル「イタリア文化会館」をめぐり、地元住民が「皇居周辺の景観と調和しない」などとして、別の色への塗り替えを求めている。
住民代表が14日、小池環境相を訪れ、約2700人の署名を添えた陳情書を提出。同会館を所有するイタリア政府へ働きかけるよう訴えた。
昨年10月にオープンしたイタリア文化会館は、地上12階、地下2階建て約1万4700平方メートルで、日伊両国の文化交流の拠点として様々なイベントが行われている。設計はイタリアの著名な建築家、ガエ・アウレンティさんが指導し、壁面が「漆器の赤」を表現した色になっている。
これに対し、地元の住民は「千鳥ヶ淵の緑や桜にそぐわない」として、色の変更を求める署名集めを昨夏から開始、東京都や千代田区などに陳情を重ねてきた。千鳥ヶ淵は環境省が管理していることなどから、住民代表3人は14日、小池環境相に「ローマ遺跡のような重みのある色に変更するよう働きかけていただきたい」と訴えた。
小池環境相は「私も実際にあの建物を見たが、とても目立つ色」と同意。「イタリアは建物の規制が厳しい国だと聞いており、あのような建物は本国では建てられないのではないか。ローマではそれぞれの建物が(景観に)マッチングしているが、その精神は日本も同じ」などと話し、住民側に理解を示した。
建設に先立ち、千代田区と同会館の施工業者は1999〜2002年、計9回にわたって事前協議を実施。当初、イタリア側はより鮮やかな赤を示したが、「景観の中で突出する」として区が変更を求め、現在の色に決まった。
皇居周辺は33年(昭和8年)、国の美観地区に指定された。千代田区は98年に景観条例を制定し、02年には景観保全の指針となる「美観地区ガイドプラン」を作成。特定の色を禁じるような規制は行っていないが、「首都の風格にふさわしい景観」「水や緑と調和したシルエット」などを求めている。
イタリア大使館は「塗り替えについては、まだ何の結論も出していない。話し合いを拒絶しているわけではなく、住民の気持ちはイタリア本国にも伝えている」としている。
(2006年3月15日0時26分 読売新聞

私たち自身はまだ実際に状況を見たわけではないので、問題の建物に対するコメントはパス。それにしてもいろいろと考えさせられる記事ではある。

デザインの本質はさておき、色だけを取り出して過剰反応しがちな傾向は一般的なものだ。おそらくその辺の調剤薬局みたいなカラーリングのビルを適当に建てておけば何の問題も起きなかったのだろう。やれやれ。

千鳥ヶ淵の赤い彗星(Design Passage)

2006年03月19日 19:00 | trackbacks (0) | comments (0)
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