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life of "love the life"

都市とデザインと : マイ・アーキテクト

3/18。渋谷Q-AXシネマで公開中の『マイ・アーキテクト』を見た。建築家ルイス・カーンの一人息子である映像作家ナサニエル・カーン氏が父の死後20年以上を経てその作品を巡る旅と、関係者や家族へのインタビューをまとめたドキュメンタリーフィルム。

と、そう書くとなんだか小難しそうだけど、建築云々は置いといて、これが素晴らしく良く出来た映画だったのだ。劇場で何年ぶりかの号泣。

以下、少々ネタバレ気味なので読みたい方だけどうぞ。

ルイス・カーンはエストニア生まれのユダヤ系アメリカ人。晩年には3つの家族を同時に持っており、ナサニエル氏は還暦を過ぎた父親と2人目の愛人との間に生まれている。
頼まれた仕事は決して断らず、プロジェクトが実現するしないに関わらず世界各地の現場を精力的に訪れ、一方メジャーなコンペでは負けてばかりで、ペンシルバニア駅のトイレで心臓発作に倒れた時には50万ドルの負債を抱えていたというカーンは、当時(1970年前後)のアメリカ社会においてこれ以上無いくらいのアウトローだ。それでいて、同時に彼が多くの人から愛される性格の持ち主でもあったことは実に興味深い。

フィリップ・ジョンソン御大は当時の高名な建築家の中でカーンが特別人当たりが良く、尊敬を集めていたことを紹介するとともに、自身の代表作である自邸『ガラスの家』を生前カーンが一度も訪れた事が無かった理由について「そりゃただのガラスの四角いハコだからだよ」と、あっけらかんとした表情で話す。
また、イオ・ミン・ペイ氏とフランク・O・ゲイリー氏は、モダニズムの支配する建築界に精神性を持ち込んだカーンの業績を揃って賞賛する。寡作だったカーンに比べるとそれこそ何十倍もの数のプロジェクトを手がけるペイ氏は深遠な笑みを浮かべつつ「60の駄作よりも3つ4つの傑作の方がずっと重要さ」と言う。

映画の中盤、カーンの代表的な作品が次々と紹介されるなか、最も印象的だったのはカリフォルニア州・ソーク生物学研究所の太平洋に面した中庭で、ナサニエル氏がひとりインラインスケートに興じる微笑ましいシーン。11歳で亡くした父親とのつかの間の戯れは、やがてせつなく胸に迫る。

最後にナサニエル氏は父親の遺作へとたどりつく。なんと、そこはバングラデシュの国会議事堂。ユダヤ人のカーンがデザインした煉瓦積みの壮大な空間にコーランが響き渡る様子のなんと美しい事か。ひとりの芸術家の愛と情熱は、現実世界に存在するあらゆるイデオロギーを超えて、すべてのひとを分け隔てなく包み込む。

かつて、アメリカにこんな男が居たのだ。

MY ARCHITECT
マイ・アーキテクト

2006年03月24日 05:00 | trackbacks (0) | comments (6)
comments

Dear Mr. Takashi and Ms. Akemi,

I had browsed through your website and read about MY ARCHITECT, I am really touched. You have done a tremendous job!! Congratulations!!

I am learning Japanese Language now, so I could read and understand most of the writings in this site but I am not so good in writing Japanese yet, I am sorry. I hope that in near future I could convey my message to you in Japanese.

I am writing from Penang, Malaysia. My husband and I run a frame shop and art gallery here. We do supply art work and special framing work to Interior Designer and home owner. If you have time please visit our website.

Thank you.

Best regards,
ching
my blog: http://spaces.msn.com/chingspathway/

posted by: teoh ching ching : 2006年03月25日 12:15

Dear Ms. Teoh

Thank you for the comment. We are glad for you to like the sentence about 'MY ARCHITECT'.
To our regret, we are not good at the foreign language at all. And Japanese is very difficult (For the Japanese too). We send salaam to your effort sincerely !
We saw your homepage. You are doing good work of the sense wonderfully. We will visit your Blog later.

See you.

posted by: katsuno+yagi : 2006年03月27日 15:56

お返事に有り難うございます。

勝野さん と ヤギさん は 私のブログとホームページへ訪問したので、私がとても嬉しいですね。
どうぞ よろしく。

私の日本語が間違っているならば、許してください。
ごめんなさい。

お願いします。

posted by: teoh ching ching : 2006年03月27日 19:21

>テオさん
全然問題ありませんよ!すごい!これからも日本語や英語でお気軽にコメントしていただけると嬉しいです。どうぞよろしくお願いします!

posted by: 勝野+ヤギ : 2006年03月27日 19:40

有り難うございます。
はい、これから日本語でコメントを書きます。 

私のブログに Love The Life がリングをしました。 良いですか。
(I put a link to your web site from my blog, is it ok? If it is a trouble to you please let me know, I will remove the link.)

posted by: teoh ching ching : 2006年03月28日 11:15

>テオさん
リンクをありがとうございます。これからもどうぞよろしく。

posted by: 勝野+ヤギ : 2006年03月28日 22:07

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