4/4のニュースより。
延焼防止、知られていない? 「防炎品」の普及低迷
各地で多数の焼死者を出す火事が相次ぐ中、延焼防止に役立つとされる「防炎品」の普及が伸び悩んでいる。燃えにくい素材でできた防炎カーテンを使っていたため、連続放火犯による被害を最小限に食い止めたケースもあるが、一般家庭の普及率は、東京都内で3割程度。
総務省消防庁では「万一、火事が起きても命を救う効果がある」として、今月から、消費者の前で防炎品に火をつけ、燃えにくさを実感してもらうなどのPR作戦を始める。(略)
防炎品は、不燃性のガラス繊維などが使われ、着火しても燃え広がりにくい。防炎品の普及を進める「日本防炎協会」(東京)の実験では、普通のカーテンに火がつくと、炎はわずか1分で天井まで達してしまうが、防炎カーテンの場合、大型ガスライターの火を5分間近づけても、炎のあたった部分が黒く焦げるだけで済む。 防炎品の種類は実は豊富で、カーテンやカーペットのほか、障子紙や仏壇で使う白布、バイクカバーなどもある。特にカーテンの場合、日本防炎協会は「一般の商品と比べて割高ということはない」と説明する。(略)
(2006年4月4日14時53分 読売新聞)
常々知りたいと思うのは、火災時に「防炎品」が人体に有害なガスをどの程度発生させるのか、と言うこと。ガラス繊維なら特に心配は無さそうだが、防炎品のインテリアファブリック(カーテンや壁紙など)の多くは難燃性の塩化ビニールなどを主材としたものや、化学素材を浸透させることで「防炎加工」を施したものだ。この辺のデータが分かりやすいかたちで公になっていないことが、そもそも「防炎品」なるものを胡散臭い存在にしているんじゃないかと思う。特に高気密で収容人数の多い商業施設やオフィスビル、高層マンションなどのインテリアを防炎品で覆い尽くすことには、かえってなんだか危険を感じるんだけど、実際のところはどうなのだろうか(良い資料をご存知の方がいらっしゃれば、ご教授いただけると大変有り難いです)。
そもそも衣服を着て生活している限り、私たち自身が可燃物のかたまりなのだ、ということを忘れるべきではない。消防法的にはとにかく建物さえ延焼しなければ、人間は燃えたり中毒死しても一向に構わないのかもしれないが。