7/8。我らが心の師匠・野井成正さんの近作『志村や』へ行って来た。水天宮そばのスタンドバー。
店先に置かれたベンチ(これは南雲勝志氏のデザイン)と通りに対して少し斜めに振られた木枠の引戸にはじまって、十人も入れば一杯の店内はほとんど全面杉材に覆われている。天井からカウンターに向かってランダムに折り重なるようにで現場で組みあげられたサイズ違いの角材がなんともド迫力。無塗装の杉材の持つ優しい質感と、エキセントリックな造形との取り合わせが新鮮だ。
こうしてロッド状の木材や金属をたくさん用いて空間をつくりあげてゆく手法は野井デザインの記号とも言えるくらい多くの作品で見られるものなんだけど、実際にそれらの空間を訪れてみると、どれひとつとして同じ印象を持つものが無いのが不思議なところ。特にこの『志村や』では杉の性質を生かしてか、比較的太めに製材したものが用いられているため、野井さんの他の作品には無い武骨さが感じられる。そのディテールをじっくり眺めつつ、頭の中で『ボンバール江戸堀』や『ティナント』や『コシノアヤコ』を解体/再構築しながら黒麹萬年をロックでいただいていると、なんだか心地良く酔いがまわってきた。
どちらを見てもほぼ単一の素材であることが、野井さんのプランニングの巧みさを際立たせていることも見逃せない。ちいさいながらも実に見応えのある作品だ。
東京で野井さんの作品を見ることができるのは、今のところ『魚真』と『リスン青山』とこの『志村や』だけ。空間デザインに関わる人は必ず見ておいた方がいい。
志村や/東京都中央区日本橋蛎殻町1-39-2
03-6657-3611/17:00-0:00(木金-2:00)/日祝休
野井成正
六月杉話/スギダラ畑でつかまって(月刊杉WEB版11号)
ん〜、うなってしまった。。
ちょっとこれと比較させてみたかったりして。
http://000studio.com/000studio/2006/06/_algorismic_space_in_zamokuza.html
いや、意味ないかな。難しいな。ん〜。。
落ち着いたら「志村や」いきます。
>ま さん
この手の造形はたしかにいろんな人がやってますね。中でも川俣正氏の作品には素晴らしいものが多いです。
http://www5a.biglobe.ne.jp/~onthetab/
野井さんの場合は造形そのものより「それを空間にいかに配置するか」がキモなので、一概に比較することは難しいかもしれませんね。『志村や』に行ったらぜひ7坪のインテリアを堪能して来て下さい。
私たち的には野井さんによる“ロッドシリーズ”は、言わばデコンストラクション的数寄屋空間なんじゃないかと解釈してるんですが、その辺を整理してお話しするにはまだ勉強が足りません。
http://ja.wikipedia.org/wiki/脱構築主義
http://ja.wikipedia.org/wiki/数寄屋造り
来月、引っ越しします。今日、転居先を見て帰る時にどこかで見たインテリアの店が・・・と思ったら、やはりここで紹介されていました。志村や徒歩30秒くらいのとこです。
>yokさん
ようこそ、大川西岸へ。
って言うか『志村や』まで30秒とは羨まし過ぎます。
じゃあ、引越祝いはそちらでぜひ。