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都市とデザインと : 丸善・丸の内本店

7/11。小田原からの帰りに東京駅で電車を降りて『丸善』丸の内本店へ。2004年のオープンからずいぶん経ってしまったけど、なぜか今まで立ち寄ったことがなかった。内外装デザインを手がけたのは中村隆秋氏を中心とするデザインチーム。ライティングデザインはコイズミ照明の鈴木和彦さん(現在はmuse-D代表)と長谷川裕之さん、サイン・グラフィックデザインは廣村正彰氏による。

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上の写真は『丸善』の入った商業施設『oazo』の地上階。先ずは施設全体を視察しながら5Fへ。それから4Fに下がって『丸善』に入る。メガネ、万年筆の売場を通り過ぎ、フロア中央を貫く大きな通路が現れた時には驚いた。明るさが本当にすごく控えめだ。黒御影石の床と白い什器によるモノトーンの空間には蛍光灯など一切無く、ダウンライトさえほとんど見当たらない。照度は全て天井を彫り込んだ間接照明だけで確保されている。以前から話に聞いてはいたものの、実際に目にするとこの「薄明るさ」にはかなりのインパクトがある。
対して売場の照明はずいぶん明るいが、普通の書店に比べるとやはり控えめで優しい印象。4F洋書売場は通路中央に並んだユニバーサルダウンライトだけで照度が確保されている。実にうまく光がまわっていて、どこに立って本を見ても嫌な影がほとんど出ない。

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上の写真は3Fの中央通路。各階ごとにカラーリングに変化は見られるが、基本的なデザインの考え方は共通している。
3F和書売場のライティングにはまたもや驚き。なにしろ天井に照明が一切無いのだ。ほとんどの明るさは什器の上面から照射されて天井面ではね返った反射光で確保されている。あとは上部から本の背をなめるように照らす行灯状の照明が補助的にあるだけ。それでも4F洋書売場よりもさらに明るく感じる。
1F、2Fまで来てようやく天井吊りの蛍光灯器具が登場するが、その数は通常の書店に比べるとかなり少なめ。上下に光を放つタイプの蛍光灯器具を使用することで、ここでも反射光が効率的に明るさ感を高める役割を果たしている。

と、思わずライティングデザインのことばかり書いてしまったけど、光をデザインの要に据えた中村氏の手腕も、廣村氏の活字組を思わせる立体的で質感の高いサイン計画も見事。大変勉強になりました。

いやしかし、もっと早く見とくべきだったなこりゃ。

丸善丸の内本店

面積1750坪、在庫120万冊と言われる品揃えはまさに圧倒的。欲を言えばもうちょい夜の営業時間が長いと最高なんだが。

2006年07月15日 04:00 | trackbacks (0) | comments (0)
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