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身体と空間の芸術 : 日本X画展

7/15。横浜美術館へ『日本X画展(にほんガテン!) しょく発する6人』を見に行った。

展覧会タイトルに付けられた脱力系のフリガナが否応無しに危険な香りを感じさせるが、とにかくケンゴさん(中村ケンゴ氏)の新作があるんだから見に行こう、と言うわけで開会式が終わった頃に到着。ものすごく顔色の悪いケンゴさん(お疲れさまです)に軽くご挨拶してから順路に沿って会場を一周した。

横浜美術館の企画展示室はアトリウムに面したオープンスペースを中心にバラバラと配置されていて、ひとつの部屋から別の部屋への移動にはその都度このオープンスペースを介することになる。一人の作家やひとつのムーブメントの変遷を追うような展覧会だと、せっかく高まった集中力をいちいちリセットされるような動線に興醒めとなることが多いが、『日本X画展』は6人の全く作風の異なる作家を併置する内容だったため、このオープンスペースが各作家間のちょうど良い干渉としてめずらしく有効に働いていたように思う。なるほど今時の日本画界(とその周辺)はけっこう面白いことになっていそうだな、と、日本画の知識を全く持たない私たちにも興味深く楽しむことの出来る展覧会だった。

さて、ケンゴさんの作品があれほど贅沢に展示されているのを見るのは初めてだったが、中でもこの展覧会のために多くを追加制作したという『コンポジショントウキョウ』シリーズは圧巻のボリューム。一見して無表情な記号的モチーフをわざわざ日本画の技法で描くやり方は、デザイナーならまず感涙もののクールさだ。これを見るだけでも観覧料分の値打ちがある。『スピーチバルーンズ・イン・ザ・ヒノマル』と横山大観『霊峰不二』の見事な共演にもシビれた。濃淡のある画面上にフラットな記号がレイヤー状に重なったような新作シリーズ『自分以外』は新しい方向性を感じさせるものだった。

他の作品ではしりあがり寿氏の巨大インスタレーションがなんとも痛快。『琳派 RIMPA』(東京国立近代美術館/2004)にも作品を提供していた中上清氏による深遠な世界からの光を感じさせるアクリル画は、平面を超えた「もの」としての迫力に満ちた衝撃的な作品だった。

日本X画展(にほんガテン!) しょく発する6人(横浜美術館)

小瀬村真美
しりあがり寿
中村ケンゴ
松井冬子

2006年07月23日 01:00 | trackbacks (0) | comments (1)
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posted by: BlogStation : 2006年07月23日 05:26

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