『住宅情報 都心に住む』の2006年10月号にlove the lifeがちょこっと登場しています。『空間のプロが愛する空間』という連載のページで夜の中央通りとその周辺について喋らせていただきました。
『レストラン東洋』でビールと食事を摂った後、すっかりいい気分で受けたぐだぐだなインタビューを森さんが驚くほどきれいにまとめて下さっています。柳井さんの撮って下さった写真には日本橋の欄干に寄りかかったダメな酔っぱらい中年が二人。
多くは社会的勝ち組の皆さんが購買層と思われる『住宅情報 都心に住む』ですが、読者の方はこのページをご覧になって果たしてどう思われるんでしょうか。。。
住宅情報 都心に住む(リクルート)
love the lifeさん、どうも、こんにちは。
『住宅情報 都心に住む』拝見いたしました。
写真のヤギさん、なんか貫禄が出てきたような。
そうですか〜。碁盤の目状の道路に都会を感じますか〜。
土地が平らなら、碁盤目に道路通すのが一番自然でもありますが、それ以上に、グリッド状の道路って、人間の意志を感じますよね。
一方で、僕はむしろ、東京の田園都市っぽいところにも魅力を感じます。
麻布の奥地のほうとか、お屋敷の緑が鬱蒼としてたり、むかしの東京って、こんなだったんだろうな〜ってところが、いまでもところどころあります。これは、グリッドのにはない不透明さの魅力かもしれません。
グリッドのグリッドらしさといえば、以前、バルセロナに遊びに行ったことがあるのですが、ここの新市街のエリア(ガウディとかあるのは、こっち)が、まさに、グリッド状の碁盤の目に、道路が通ってます。
で、どんなかと言うと、ここではメインストリートも、裏道も、基本的には、全く同じような姿かたちをしています。
これはつまり、街のどの場所に対しても、平等に同じようなチャンスを与えようっていう、とても近代的な価値観のあらわれと思いました。
たまたま、いいところに土地を持っていたから商売が成功するっていうのではない、誰でもがんばれば成功できるっていう、そういうものを目指しているのがヒシヒシと感じられました。
まあ、実際には、けっしてそういうわけではなく、そのあたりが、「近代」というものの、美しさでもあり、限界でもあるなあとも思ったのですが。
いずれにせよ、僕はバルセロナの街を歩いて、この近代のグリッドシステムというものの本質を実感できたような、そんな気分になりました。
ちなみにバルセロナって、おそらく、世界で一番、夜の遅い街じゃないかなあ。
深夜2時とかでも、人通りは絶えなくて、お婆ちゃんが涼んだりしてます。
あと、バルセロナは、インテリアデザインのレベルもとても高いようです。
>えぐちさん
おはようございます。あの写真、確かにヤギの顔がちょっと丸かった気がしますね。しかしながら実物は相変わらず貧相です(笑)。
私たちがグリッドに安心感を覚える理由にはいろいろありそうなんですが(勝野とヤギでも異なりますし)、とりあえず今現在のところは城下町的な都市構造が性に合うみたいです。おそらくこれからも武蔵野とか江戸とか田園とか、様々なレイヤーが破れかぶれに重なった東京を、気分次第で移動しながら当分生活してゆくんだと思います。
海外にはほとんど行ったことがないんですが、バルセロナはすごく気になってるんです。SDの90年11月号がバルセロナのインテリアデザインを特集してたんですが、鰻の寝床みたいなプランがけっこう目につくんですよね。やはりあれはグリッドのせいなのか。ぜひいつか行ってみたいです。夜が遅いのも私たちに合ってるかも(笑)。