8/6。仕事帰りに『前川』で鰻。駒形橋のそばにある有名店。以前から気にはしていたんだけど、実際に足を運んだのはこの日が初めて。
御影石張りの重厚な店構え。メニュー表を確認すると少々単価が高い。Tシャツ、ジーンズに図面ケースを携えた格好もどうかとは思ったが、せっかく前まで来たのだから、と、飾り窓付きの大きな引違戸を開けた。2Fの座敷へ通され、坂東太郎の蒲焼と重、肝の山椒煮と瓶のモルツを注文。
中(値段別に大・中・小のサイズがある)の蒲焼は見るからに立派なものだった。たれのかかり具合は薄め。一口箸で運ぶとふわりとした食感とともに鰻の風味が広がる。
上の写真が蒲焼と重(こちらは小)の一揃え。これに水菓子(この日はメロンだった)が付く。品良く、しかもボリュームのある内容に納得した。
主な器は網代模様の染付。女給さんの着物にもさりげなく網代がアレンジされている。白木と左官の内装は鰻同様シンプルで質の高いものだが、それにしては蛍光灯のシーリングライトを等間隔で並べただけの照明が少々味気なく感じる。大きな窓ガラス越しの目の前には隅田川と駒形橋。この店にはたぶん昼間来るのが正解だ。
設えの良い店の、設えの良い鰻。私たちのような身分の者も時々ならばいただいてもいいだろうか。
前川/東京都台東区駒形2-1-29/03-3841-6314
11:30-21:00/無休