8/8。11回目の結婚記念日だけど終日仕事。21:00になろうかという頃に、近所で何か食べますか、となって、前から気になっていた串揚げの店『卯吉』へ行ってみることにした。春日通を東へ歩いて新御徒町駅と仲御徒町駅のちょうど中間あたりで左に曲がると、ほどなく角のマンションビル1Fに“串喝卯吉”と抜いた藍の暖簾が見つかる。串揚店にありがちな民芸調の作り込みのほとんど無い小ざっぱりとした店構え。
5人掛けられるかどうかのカウンターと4人掛けのテーブルがふたつの小さな店は主人一人だけで切り盛りされているようだった。テーブルのひとつではネクタイの二人連れが機嫌良さげに瓶ビールを空けている。給仕の手間の無いよう、私たちは主人のすぐ前のカウンター席に座らせてもらうことにした。おまかせ串を注文。
クリアウレタン塗装の木造作と粗めの左官壁の内装は、外観同様控えめながらしっかりしたつくり。入口部分の一角だけ少し削って切石と砂利を敷いてあり、残りの床は白御影調の塩ビタイルだが使い方がスマートなので安っぽくは見えない。レジ脇とカウンター脇の小壁の一部は黒塗りの異形鉄筋をランダムに配置して透かしてある。設計者の年代を感じさせるディテールだ。
テンポ良く運ばれて来る串揚げもまた見た目に奇抜なところは無い。ところがどれも一口食べると「美味い」と同時に「おや」と思わせるものがある。供する方は「椎茸です」、「玉葱です」、「帆立」です、と至ってさりげないが、素材の組み合わせや下味の段階で何かひと工夫、あるいはふた工夫が施されていることは明らかだ。私たちの単細胞な舌ではそれがどういったものなのかを一度で判別することは難しい。こりゃまた来てじっくり味わう必要がある。この辺は腕とセンスのある串揚店ならではの楽しみだ。
合間に造り(これも「おまかせ」に含まれている)を挟みつつ、かなりの本数を平らげてストップ。気がついたらほとんど塩だけで食べていた。最後に出て来たトマトの甘煮も上品な味付け。心地良い満腹感とともに春日通りを逆戻りした。
卯吉/東京都台東区台東4-29-15/03-3835-8227
12:00-13:30,17:00-22:00LO(土-21:00LO)/日祝休
11回目の結婚記念日、おめでとう!
人員構成はほぼ同じでも(笑)、この点、先輩だったのねー。
これからも仲良く、すてきなお仕事、続けてください。
相変わらず、おいしそうな下町生活、うらやましい!
トマトの甘煮って……興味深い。さらりと薄味で、みりん程度の甘味なのかな?
>わらびさん
ありがとー。最近は近所で飲み食いするのが数少ない楽しみの中高年夫婦です。
トマトの甘煮はシロップ味のさっぱりデザートでした。若干出汁もきいてたような気がするけど、定かではありませんです。美味いよ。