life
life of "love the life"

掲載誌・書籍など : 商店建築 2006年10月号

『商店建築』の2006年10月号に『夢組新松戸店』が掲載されています。小特集・コンパクトショップのページ。見てね。

同特集にはスピンオフ・塩見一郎氏がデザインした『Gelateria Bar Natural Beat』も掲載されています。付帯記事にはコンパクトな店舗のデザインに関する塩見氏へのインタビューが。『Soup Stock Tokyo』にも言及された内容は、氏のデザインへの真摯な取り組みを感じさせると同時に大変勉強になります。

商店建築/2006年10月号(商店建築社)

付帯記事にはlove the lifeへのインタビューもちょこっと掲載されています。内容は編集部でまとめてもらったものなので、若干ニュアンス的に「あれれ?」と思う部分も。大まかにはほとんど変わりがないのですが、一応書き換えたものをこちらに掲載しておきます。塩田さん、ごめんね(笑)。


独立以前も含めると、10坪以下の店舗は割合多く手がけていますが、規模が小さいからといって特別な配慮をすることはほとんどありません。むしろ一般によく陥りがちな、“看板性”に偏ったファサード表現や、ディテールばかりに偏った表現へ、安易に走ることの無いよう心がけています。『夢組』の場合、そもそも周辺環境が極めてノイジーなものでしたから、逆にシンプルな“空間”そのものをデザインしました。結果として、小さな店であることが、かえって視覚的な効果を高めた部分はあるかもしれません。ともあれ、規模の大小にかかわらず、あくまで店と言うものを生活環境の一部として捉え、常に普段通りのスケール感覚でデザインすることが重要だと考えています。

規模の小ささが必ずしもデザインに不自由を与えるものではないと考えています。特に『夢組』ではオーナーである廣瀬さんのビジョンが最初から明快だったので問題はありませんでした。プランニング上重視されたのは、お客さんへの個別の応対と、正面の整備道との関係性です。お客さんを店の奥へと引き込み、ショーケース越しにやりとりする様をそのまま通りに対しての顔とするアイデアが、そこから自然と導き出され、バックヤードの確保にも繋がりました。既存のサッシを解体できるくらいの予算があれば、より多くのプランを提案できたかもしれませんが、効率、機能を総合すれば、どのみち現在のかたちに近いプランへと収束したでしょう。
また、廣瀬さんが将来にわたってプリンを主軸とする少数の商品ラインナップだけでやっていく覚悟をお持ちであったことも重要です。だからこそ、業態的にもデザイン的にも無駄のない、強いイメージを持つ店になりました。こうして目的意識を明確にさえすれば、小さな店であることが有利にさえ働きます。

小さな店の可能性は、店と環境とが直接つながることの必然性にあるのではないかと考えています。『夢組』はその典型的な例ですが、小さな店は、設備的な限界から、どうしても環境との関わりの中でしか存在できないケースが多く、自然と開放性や透明性を高くすることになる。それは逆に言えば、店のデザインが、地域や商業施設の環境形成に直接参加することにもつながるわけです。最近、“引きこもるようなインテリアデザイン”が多いと感じています。小さな店に限らず、これからの店舗をデザインする上では“インテリアを街に開いてゆく感覚”が、大切なのではないでしょうか。


2006年09月29日 19:00 | trackbacks (0) | comments (4)
comments

みましたよー
コンパクトだけに撮影も
むずかしそうですよね。

posted by: 古井ちゃん : 2006年09月30日 00:06

>古井ちゃん
見てくれてありがとー。外から中身が全部見える店なので、コンパクトなわりに撮影はスムーズでしたよ。

posted by: 勝野+ヤギ : 2006年09月30日 05:11

PENを買っていたら偶然お会いして驚きました。ヤギさんが心なしか以前より元気そうに見えましたが、その後、お元気でしか?私は特に成長しておりませんが今月の新建築に関わったプロジェクトが出てます見かけたらよろしくです。

posted by: yoko : 2006年10月13日 02:33

>yokoさん
こちらの写真ですね。
http://www.lovethelife.org/life/archives/2006/09/pen_2006101.html
実際のヤギは日々着実に弱ってまして、今はヘルペスにやられてます。。。

新建築、拝見します!

posted by: 勝野+ヤギ : 2006年10月13日 08:58

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