9/5。夕刻に国立能楽堂へ。『納涼茂山狂言祭2006』の最終公演を見た。演目は『粟田口』、『狐塚』、『六地蔵』。
茂山狂言は他の伝統芸能に比べ敷居の低い感じであるのがいい。様式美を堪能すると同時に、大いに笑わせていただく。『粟田口』で大名役の千五郎氏が身に付けていたのは船を大胆にあしらったグラフィカルな衣装。これが実にカッコ良かった。
さて、なかなか足を運ぶ機会の無い国立能楽堂は狂言に劣らず魅力的な建物だった。外構のプランニングはバックヤード的な要素も平気で見せてしまうような状態で、なんだか高速のインターチェンジみたいだな、と思わせるゆるさだが、中に入ると印象は一変する。中庭を囲む重厚な鉄筋コンクリートのホワイエと、それに内包された繊細な木造のディテールとの対比はため息ものの美しさ。対して劇場のインテリアはオーソドックスなもの。ステージだけをやさしく効果的に浮かび上がらせるライティングが見事。観客席は見易いレイアウトで、座り心地も良い。
完成は1983年。設計は大江宏。
秋の深まる頃には中庭の眺めもなかなかのものだろう。良い公演があれば、11月頃にでもまた見に来たいものだ。
能楽堂にある飯や(平日ランチタイムに解放してる、宴会場らしきスペース)のインテリアは、ナイっスです。講師時代暇見て結構通ってました。ぜひ。
>ま さん
能楽堂のレストラン、公演が無い日も営業してるんだ。こりゃいいですね。ぜひ利用させていただきます。情報感謝!
こんにちは。
能楽堂と言えば、床下に足拍子を響かせるために瓶が仕込んでいたり様々な工夫を凝らしてあると言う記事を読んだことがあります。
その本家の作りがどうなっているのかちょっと気になりますね。
>dokuさん
そう言えば声も足拍子も素晴らしく良く音が通っていました。比較的新しい建物だし、なにか資料がありそうですね。ちょっと調べてみようかな。