10/4。打合せの帰りに『成城コルティ』を一巡りしてみた。2006年9月にオープンしたばかりの小田急成城学園前駅ビル商業施設。建築設計は坂倉建築研究所。
北口からの外観。一見すると特に新鮮みのないプレーンなガラスボックスだが、細部には繊細な気遣いが見られる。3Fレベルの植栽は駐車場動線を目隠しすると同時に、無機質なファサードの印象を和らげる。
中央口改札の前で頭上を見上げたところ。グレーの内壁はPC板。トップライトは網入波板ガラス。ヘビーデューティーな使用素材は完全に「駅」そのもの。しかし吹き抜けの開放感がそのことをすっかり忘れさせる。ライティングは控えめながらデザインの要所をちゃんとわきまえたもので、こうした施設には珍しくセンスがいい。最上階(4F)の東端と西端にはそれぞれちいさな屋上庭園が設けられている。ここがうまく機能するかどうかはちょっと心配なところ。
テナントではエマニュエル・ムホー氏デザインの『ABCクッキングスタジオ』と『ボディーズ』(フィットネス)、インテリア金物メーカー・KAWAJUN運営の雑貨店『KEYUCA』辺りが目を引いた。『三省堂書店』はこの立地にしては驚くほど広大。スーパーマーケット『Odakyu OX』はつくりはそこそこ立派なのに通路がやたらと狭くてちぐはぐな状態(ある意味成城らしいかも)。1Fの『DEAN&DELUCA』はワンダーウォール・片山正通氏のデザインとのこと。
また、保育園、クリニックモール(3つの医院が入居)、アロマテラピーサロン、ドラッグストア、英会話教室といったサービス業態の占める面積もかなりもの。一方、4Fレストランフロアはどこもこぢんまりとした区画内に席を詰め込んだ印象。ディベロッパー側・テナント側双方の手堅い算段を感じる。
上の写真と同じ方向を4Fから見下ろしたところ。
浮かれたところが無く、かと言っていかにも切り詰めた風にも見えない今時の地元商業拠点。ハード・ソフト両面の手入れがきちんと続いてゆけば、けっこう魅力的な空間に育つかもしれない。
成城コルティ(SEIJO CORTY)/東京都世田谷区成城6-5-34/03-3483-5621
ショップ10:00-21:00,レストラン11:00-23:00(一部異なる店舗有)/不定休