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食べたり飲んだり : 浅草・色川

12/1。打合せの帰りに雷門前で昼食。以前から行こうと思いつつなかなか機会の無かった鰻屋『色川』へ。場所は雷門通りのオオゼキの角を南へ下り、浅草通りの手前。浅草の中心部からさほど離れていないにもかかわらず車も人通りも少ないエリア。近くにロシア料理で有名な『マノス』がある。

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木造二階建ての店構えは、浅草で最も古い(1861年開業)鰻屋にしてはいかにも質素で家庭的だ。スリガラスの向こうは暗く、昼間に訪れると外から中を伺うことはほとんどできない。引戸を開けると手前は六畳間ほどの客席で、調理場と二階への階段との間に挟まった細い通路の向こうに小上がり席が見える。6席ほどの白木カウンターの隅に落ち着くと、女性の店員さんがお茶とお新香(奈良漬けと生姜風味の白菜)と割箸を置き「品書きはあちら」と壁を示してから調理場へ。入れ替わりにごま塩頭で若干強面の六代目店主氏がそろりと登場。
うな重の上と白焼を頼むと、「白焼には飯が付いてないぞ」。ご飯を別に付けてもらえるかと聞いたところ「うちじゃそういうのやってないんだ」とのことだったので、上をふたつ注文することに。店主氏は「わかった」と返し、カウンター内の炭火で颯爽と焼き始めた。
この間のまるで落語の滑り出しのようなやりとりと、店主氏の江戸弁で、私たちはもうすでにこの店のファンになりかかっていたように思う。目の前のガラスケースに並んだ出所不明の置物類などすっかり意識から遠のいていたし、さらに言えば鰻の味がどうであっても文句は無かったろう。

で、しばらくして供されたうな重だが、これが美味かった。近火の炭火で焼いた小振りな鰻はふわり柔らかく実に香ばしい。さっぱりしたタレが濃厚な旨味を引き立てる。固めに炊き上げられたご飯との相性がまた素晴らしく良い。決して高級ではないが、正しく庶民的で、粋なうな重だ。

とろろ昆布の吸い物と、店主氏が足してくれた熱いお茶をいただき、すっかり満足して店を出た。「ありがとうございました」の歯切れ良いイントネーションが、耳に心地良い余韻となって残った。今度は夜に訪れて、ビールと肝焼きあたりも頼んでみよう。できればこの日と同様、やはりカウンターでいただきたいものだ。

色川/東京都台東区雷門2-6-11/03-3844-1187
11:30-13:30,17:00-20:30(売切御免)/日祝休

2006年12月02日 17:00 | trackbacks (0) | comments (0)
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