life
life of "love the life"

落語初心者のメモ, 身体と空間の芸術 : ダンスと落語とポルトガル音楽

ここのところlove the lifeとしてはかつてない忙しさ。クライアントの異なるちいさな仕事がいくつも同時進行していると、常に頭を使いっ放しの状態となり、作業を外注することが難しい。まさに孤軍奮闘(2人だけど)。一杯いっぱいとはこういうことか、などと思ったりもするが、今のところどの仕事もそこそこ楽しくやらせてもらっているので気分は良い。来週あたりにはそうも言ってられなくなるだろうけど。

さて、そんな状況下でも以前からチケットを取っておいたホールイベントにだけは足を運んでいる。以下はその内容についての覚え書き。

11/26。フィリップ・ドゥクフレ『SOLO』を天王洲・銀河劇場へ見に行った。
フィリップ・ドゥクフレ氏は一般的にはアルベールヒル冬期オリンピック開閉幕式の演出を手がけたことでよく知られるフランスの振付・演出家。氏のステージを実際に見るのはこれがはじめて。
フィリップ・ドゥクフレ氏と言えば奇抜なコスチュームとアクロバティックな演出、といったイメージが強いが、『SOLO』に登場するのはほとんど本人のみ。ダンスとそのライブ映像にビデオエフェクトを組み合わせての演出は、極めてシンプルながらまるで万華鏡を覗くかのように多彩なものだった。途中展開されるのは自身の生い立ちや家族を写真で紹介するパートと、それにまつわるエピソードから着想を得たパート、氏の身体表現のルーツである新体操の爆笑もののパロディや、尊敬するバスビー・バークレー(ミュージカル映画監督)へのオマージュなど。四十代も半ばを迎えたダンサーが、文字通り全身全霊をかけた貴重なパフォーマンスは、ダンスを見たと言うよりもエッセイか私小説を読み終えたかのような、不思議な印象を残した。

Cie DCA (Philippe Decoufle)

11/29。にっかん飛切落語会第308夜をイイノホールへ見に行った。演目は三笑亭亀次『道灌』、林家たい平『二番煎じ』、桂歌丸『井戸の茶碗』、桂快治『笠碁』、立川志の輔『Dear Family』。
たい平師匠を見るのは初めてだったが、正直、あんなに品格のある落語家だとは全く想像していなかった。今後はしっかりチェックさせていただかねば。歌丸師匠の演目は身分の違う2人の武士が正直者の屑屋を介して奇妙な縁で結ばれる人情話。美しい江戸弁が冴え渡り、可笑しくも心温まる。快治さんの芸は静かだが洗練されている。この人は大化けするんじゃないか。トリの志の輔師匠(やはり見るのは初めて)は現代ものの創作落語。セリフそのものは核家族にいかにもよくありそうなものだが、絶妙に練り込まれたシュールな展開と師匠の素晴らしく良く通る声が、狂気と爆笑の波動となって観客席を包み込む。凄いものを見た。

12/7。マドレデウスのコンサートをオーチャードホールへ見に行った。ポルトガルの5人ユニット。2本のクラシックギターとアコースティックベースとシンセサイザー、そしてテレーザ・サルゲイロの神懸かり的なヴォーカル。透きとおるようなハイトーンヴォイスをファド(ポルトガルの歌謡)特有のビブラートが揺らす。これ以上何も言えない。号泣。

Madredeus
MADREDEUS unofficial website

2006年12月16日 03:00 | trackbacks (0) | comments (0)
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