12/26。大阪高島屋東別館で『finerefine』を視察。2005年5月オープン。インテリアデザインは銀座店と同じく設計事務所イマの小林恭氏、小林マナ氏。両氏は同年代の同業者として、私たちにとって今最もお会いしてみたいクリエーターだ。
この建物はもともと松坂屋大阪店として1934年に完成。難波の中心からは少し離れた場所に静かに佇むアールデコ様式の建物。堺筋に面したアーケードは国内では珍しいダイナミックな空間。設計は鈴木建築事務所(鈴木禎次)。エントランスまわりのディテールとエレベーターホールの写真はこちら。
『finerefine』はこの建物の内部をほぼスケルトン状態で活用しながら、最少限の造作を付け加えることで見事に共存し、引き立て合っている。天井の高さを生かした大胆な売場構成はスケール感において銀座店を上回るもの。今時の物販店としては、破格に気持ちのよい空間だ。
店舗としてのディテールの練り上げられ方は銀座店同様、実に巧みで思わず唸らされる。各エリアを繋ぐ上部の丸い出入口が建築と呼応するようで楽しい。各所にシンプルかつ象徴的に展示された東恩納裕一氏の円形蛍光灯を用いた作品が空間の味わいを一層深めている。その他のインテリアディテールはこちらとこちら。
アーケードの向こうは雑然とした日本橋電気街。この夢のような対比はまさに大阪そのものだ。
finerefine
都市の華 アールデコの百貨店(Galerie de Comte)