2/16。MOKAさんご両人に連れられて渋谷・のんべい横丁へ。東京に暮らして十数年目にしてこのエリアに足を踏み入れたのは初めて。横丁の写真を撮るには事前許可が必要なのだそうだが、とりあえずクレームの類いが来るまでは載せておく。
横丁はJR山手線の高架と二列の木造長屋に挟まれた二本の通りからなる。通りは真っ直ぐに平行しており、その両端には共同のトイレ。面積、店舗数はさほど大きくはない。実にコンパクトで、シンプルな構造の横丁にはカオティックな印象は無く、むしろ合理的に整理されている。地上階にある店舗はどこもせいぜい2、3坪かそれ以下の規模。建具一枚を隔てた中では小さなカウンター周りに十人くらいの客がぎゅうぎゅう詰めで肩を寄せ合っている。ここで飲むには客の側に一定の節度が必要だ。
この日私たちが連れて行っていただいたのは焼鳥の名店として名高い『鳥重』。大串のビジュアルとその味のインパクト、三交代予約制の営業形態、思わず驚愕する勘定の安さ、などなど、この店については多くの人に語り尽くされている。
調理と接客を一手に引き受けるおばちゃんの絶妙な場の仕切りと美しい言葉使いは、小さな空間と限られた物資を最大限に有効活用するための知恵そのものだ。おそらくのんべい横丁はそうした知恵の集積で成り立っている。
鳥重/東京都渋谷区渋谷1-25-10のんべい横丁
18:00-,19:30-,21:30-(三交代予約制)/日祝休
*電話番号は原則として非公開