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都市とデザインと : 山本秀夫/アトリエワン/山本達雄

最近見た展覧会のうち3つについての覚え書き。

3/28。studio graphia現場から銀座へ徒歩移動。十一房珈琲で一休みしてから松屋のデザインギャラリーで開催中の『断面A-A 山本秀夫のプロダクトデザイン』を見た。山本秀夫氏がデザインを手がけたプロダクトを、その簡略化・拡大された断面図とともに展示する内容。
要求される機能はそれぞれに高度であったり複雑であったりするが、それらを満たした上で山本氏の提示するフォルムは素っ気無いほどにシンプル。こうした仕事は並大抵の力量で出来るものではない。特に素晴らしいと感じたのは良品計画のための一連のデザインと、丸ビルのトイレまわりの器具デザイン。良質のプロダクトの集積が良質の環境の創出へと繋がることを示す好例。大変勉強になりました。

3/29。ギャラリー間へ『アトリエ・ワン展 いきいきとした空間の実践』を見に行った。建築プロジェクトそのものにさほど力が無く、2004年にキリンプラザ大阪で見た『街の使い方展』に比較すると、質、内容ともに退行してしまっているように感じられたのは残念。第一会場の大半を占める人形劇場は本来プロセニアムアーチのみで成立するものであって、客席を間仕切る曲げベニヤの造作が「いきいきとした空間の実践」に寄与しているとは言い難い。とは言え『ホワイトリムジン』はやっぱり最高に素敵だ。次に期待。

アトリエワン

3/31。『山本達雄「nido」』を見にギャラリー ル・ベインへ。

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通りから中庭、ギャラリー内部に到る広いスペースが仮設のパンチカーペットで競技場のトラックに仕立てられていた。あとは無造作にぐるぐると巻かれて積み重なったロープや発砲樹脂製のチューブが点在するだけ。来場者はそのロープやチューブにずどんと腰掛ける。
これは遠い昔の運動会や競技会を思い出して甘酸っぱい気分になれるインスタレーションであると同時に、おそらく山本氏の師である内田繁氏と三橋いく代氏がそのキャリアの最初期にデザインした家具『フリーフォームチェア』(1969)へのオマージュだ。山本氏はきっとロマンティストで、かつ義理堅い人物に違いない。いつかお会いしてみたいものだと思う。

山本達雄

2007年04月04日 07:00 | trackbacks (0) | comments (0)
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