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都市とデザインと : 東京ミッドタウン・とらやとMUJI

4/16。東京ミッドタウンへ初めて行ってみた。オープン後2週間あまりを経た平日だったが、かなりの盛況ぶり。私たちを含め、物見遊山の類いと思しい格好・挙動の人が多い。

商業施設のエリアは、細長い吹き抜けの周りを共用通路と店舗が取り囲むガレリアを中心とするオーソドックスで比較的分かりやすい構成となっている。多少厚化粧ではあるが、その作法は多くの郊外型ショッピングモールに共通するものだ。ふたつの「ヒルズ」を経た結果として、こうした空間が東京の都心に臆面無く作られるようになったことは興味深い。横浜クイーンズスクエアや福岡キャナルシティ、名古屋ミッドランドスクエアなどのような個性的でスケールの大きな商環境は、おそらく東京には馴染まないのだろう。

そんなわけで、商環境としては至ってフツーな東京ミッドタウンだが、個々の店舗のデザインについては質の高いものが目立った。中でも最も素晴らしかったのが『とらや』と『MUJI』。どちらもミッドタウン随一の大型店。

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垂直面のほとんどが白い陶製の穴開きブロックで埋め尽くされた『とらや』(B1F)の空間は、その素材から醸し出される遺跡のような「重さ」と、至ってシンプルなプランニングがもたらす「軽さ」の対比が特徴的。まさに『とらや』らしい巨大な暖簾が、一際見事に映える。フランク・ロイド・ライトが現代に再生したかのような、力強く印象的なデザインを手がけたのは内藤廣建築設計事務所
空間だけを見ると『TORAYA CAFE』で評判を落とした虎屋がここに来て眼を覚ましたか、と思われたが、運営面のまずさは相変わらずのようだ。年配スタッフの要領を得ない応対と、接客テーブルの正面から伺えるバックヤードの騒々しさが気にかかる。入れ物に見合った内容を期待したい。

とらやグループ
とらや東京ミッドタウン店(内藤廣建築設計事務所)

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家具のサイズオーダーなどのサービスを付加したミッドタウンの『MUJI』(B1F)は、その店のつくりもまた規格外。面積こそ標準的ながら商品ディスプレイの間隔は大きく、他の『MUJI』とは一線を画する余裕が感じられる。化粧品や生活雑貨、文具も一通り揃うが、固定の大型ガラス製什器に積まれ、完璧なライティングが施されたその様子はとても量販店には見えない。
内装には自然な質感の木材やスチールなど、久しぶりに初期の無印良品の伝統に立ち返った素材が用いられている。それらの構成はかつてなくダイナミックで、しかも繊細だ。大胆な面とボリュームから成る空間は、近年のスーパーポテトのデザインから失われつつあった静けさと緊張感を思い起こさせる。そこには杉本貴志氏の確かな存在がある。

MUJI Tokyo Midtown

東京ミッドタウン・SAYA、Ideaなど(April 30, 2007)
21_21 DESIGN SIGHT(April 29, 2007)

2007年04月29日 10:00 | trackbacks (0) | comments (0)
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