5/6。タロヲさんと近所で夕食。三筋二丁目の天婦羅屋『みやこし』へ。訪れるのは春先以来二度目。
場所は新御徒町駅からほど近い春日通南の住宅街。煉瓦調タイル張りの低層ビル1Fの少し奥まったところに藍色の暖簾がかかる。白木の引戸には擦りガラスがはめ込まれ、中の様子はほとんど伺い知れない。「ひっそりと佇むような」とはまさにこうした店構えにふさわしいたとえだ。
店内に入るとフロアの左側をL字型に白木のカウンターが占め、右側の通路がキッチンの脇から奥の座敷へと続く。内装は比較的新しい様子で、余計な造作をすることなく潔く整えられている。照明はフラットで明るく、当然ながらBGMは無し。
この日は3人だったが、やはり揚げたてをすぐに食べたいのでカウンターの奥に陣取った。ダイニングチェアは剣持勇デザインの秋田木工製とこれまた正しくスタンダードなスタイル。
眼鏡の奥の眼光鋭い店主氏に天婦羅コースを注文。瓶ビールでデザイン談義しつつ、熱々を次々にいただく。
この店の天婦羅をなにかしら言葉で形容することは難しい。ネタが素晴らしい。衣が歯触り良く、香ばしい。当たり前の文句ではあるが、それらを高い次元で成り立たせる店主氏の技に敬意を覚える。虚飾の無い、東京の天婦羅だ。この日はじめて仕上げに天茶をいただいたが、予想を上回るきれいな味わいに思わず唸らされた。
徒歩5分の距離にある名店。季節ごとに足を運ばせていただきたい。
みやこし/東京都台東区三筋2-5-10/03-3864-7374
11:30-14:00,17:00-21:00(日祝夜のみ)/水休