love the lifeの作品「Studio Graphia Marunouchi」のページを更新しました(Aug. 25, 2012)。Worksからご覧下さい。フォトグラファーは佐藤振一さん。
「スタヂオグラフィア 丸の内」は2007年に東京駅のすぐ西側に竣工した新丸ビルの4Fにある。50平米あまりの店内では、自社製品のステーショナリーを中心に、バッグや時計、書籍など、デザイン性の高い商品が幅広く扱われている。
私たちはクライアントが主として紙製品と紙媒体を扱う企業であることに着目した。紙の原料は木材チップからなるパルプであり、木材は山林から生まれる。私たちはプランを進める上で、フロアの突き当たりに壁一面を覆う木製の雛壇什器を据えることを最初に決めた。その形状とスケールは、共用通路に対する明確な正面性を生み出すと同時に、山林の姿を暗示するものとなる。
店内は共用通路から向かって左側の白いインテリアと、右側のダークグレーのインテリアとに大きく二分されている。左側では間接光が均質なひろがりを強調し、右側では狭角のダウンライトが陰影を際立たせる。また、クロームメッキのスチールパイプによる折線形の造作が左右それぞれに異なる姿で配置されている。これと言った機能を持たないふたつの要素が、スクエアな空間に破調をもたらしながら向かい合う構図は、俵屋宗達の画として多くの人々から親しまれる「風神雷神図屏風」の二曲一双の姿を参照したものだ。それは山林を取り巻く万象の寓意に他ならない。
風神雷神図屏風 | 俵屋宗達 (京都国立博物館)