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都市とデザインと : 大阪・LAWRYS FARM & JEANASIS 南堀江

6/25。『VAGRIE』から四ツ橋筋の西側を南下。目的地を行き過ぎて立花通りに迷い込んだところで偶然に『LAWRYS FARM & JEANASIS』(ローリーズファーム&ジーナシス)南堀江を発見した。内外装デザインはアウトデザイン(黒川勉)が手がけている。2005年3月にオープンした最晩年の作品。現在アウトデザインのホームページには掲載されていない。

070625_lawrysfarm01.jpg

店内は1Fに『LAWRYS FARM』、2Fに『JEANASIS』というフロア構成。手裏剣型の異形タイルに覆われたファサード(別の写真)の大きな面にそのふたつのロゴが配置されている。アンバランスなようでいて決まっているようにも見える不可思議なレイアウトが、アウトデザインの作であることを静かに物語る。

月曜の日中にもかかわらず立花通りの賑わいは大したもので、この店にもたくさんの女性客が。さすがにインテリアの写真を撮ることは断念した。

書籍などで写真を見た限りではあまりピンと来るものの無かった作品だが、実物の持つ迫力は想像をはるかに上回るものだった。安価でカジュアルな服を販売する店に黒川はあえて凝り固まった構成を与えることなく、素材の使い分けによる面の切り分けで動線と視線を大雑把にコントロールする手法をとっている。一方、空間の「ゆるさ」対して什器をはじめとする各部のディテールは極めて雄弁だ。何故そこに?と思うような箇所に施された装飾。ガラスケースの危うげな構造。大きな壁付ミラーフレームの裏に隠れたフィッティングルーム。それらの積み重なりが頭の中にひとつの風景を形作る。

何気ない佇まいに潜む気高いフェティシズム。下手なデザイナーがこれを真似すると、眼も当てられないことになる。かく言う私たちにも、こうしたバランスを成立させる自信はまだ無い。もっともっと、精進しなくては。

LAWRYS FARM & JEANASIS 南堀江/大阪府大阪市西区南堀江1-19-30
06-6533-5150/11:00-20:00/無休

2007年07月11日 12:00 | trackbacks (0) | comments (0)
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