6/25。梅田から再び南へ移動。北堀江のバッグショップ『VAGRIE』(ヴァグリエ)を訪れた。インテリアデザインを手がけたのは我らが心の師匠・野井成正さん。
四ツ橋駅からすぐの長堀通りに面したビル入口に控えめな立て看板を見つけ、小さなエレベーターで2Fへ上がると目の前に『VAGRIE』のドア。インテリアは柱型、梁型を残しつつ至って簡素に仕上げられている。壁は白い塗装で、床もやはり白く染色されたウッドフローリング。天井面の塗装は淡いグレーで、シルバー色の配線ダクトによって8列のボーダー状に分割されており、そこにシルバー色のコンパクトなスポットライトがずらりと並んでいる。エアコン類は天井ではなく壁に設置されているため、グレーのフラットな面は至ってミニマルで象徴的に見える。また、単純な白一辺倒ではないことが、かえって空間のひろがりを感じさせる。
店内は白い半透明の衝立て状の家具で緩やかに分節されている。この衝立てはドットパターンを漉き込んだ和紙をアクリルでサンドしたもの。しばらく店内を移動しているとなんだか雲間に浮かぶような心地がする。
商品もまた魅力的。子安一子氏のデザインする数々のバッグは、その製造工程の多くを国内でのハンドメイドに負う。端正かつ造形的な外見を持つばかりでなくどれも実に機能的で、内部の細かな箇所まで一切の妥協無く作り込まれている。使用されるシーンを周到に想定し、意外なディテールに遊び心をしのばせるセンスもまた見事。子安氏のバッグには「小粋」という言葉が真に似つかわしい。長財布をひとつ購入。今度は貯金して行こう。
『VAGRIE』のバッグは東京では日本橋三越で見ることができるとのこと。
VAGRIE/大阪市西区北堀江1-7-4-2F/06-6533-2349
11:00-19:00/日祝休
VAGRIE(noi-shigemasa.com)