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身体と空間の芸術, 都市とデザインと : 国立能楽堂・納涼茂山狂言祭2007

8/18。国立能楽堂『納涼茂山狂言祭2007』の夜公演へ。ここで茂山狂言を見るのは昨年に続いて2度目。相変わらず国立能楽堂は気楽でいい。勝野は竺仙の絹紅梅、ヤギはTシャツにジーンズ、という他の能楽堂だと着物マダムの皆さんに白い目で見られそうな出で立ちだったが、ここでは余計な気遣いをしなくて済む。

建物は大江宏建築事務所1983年の作。外苑西通りと明治通りを繋ぐJRの線路脇の道を、その中ほどで少し住宅街の側に入ると柿葺(こけらぶき)を模した金属屋根が折り重なって表れる。

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ファサードや外構のデザインはまとまりに欠けるが、インテリアは見事なものだ。上の写真は終演後の舞台。光源をほとんど意識させない超フラットなライティングが異空間を浮かび上がらせる。

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上の写真はエントランスロビー。上部に木製ルーバーを設けた開口部のデザインが巨大な半蔀(はじとみ)を彷彿させる。

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上の写真はエントランスロビーからホワイエへと続くメイン通路。中庭(写真右)を半周するようにして横ルーバーの意匠が続く。

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ホワイエで天井は一段と高くなる。上部はぐるりと光壁。縦向きとなった木製ルーバーがそのスケール感を強調する。見所の外側にある通路(写真左)を含め、舞台以外のライティングには蛍光灯が上手く使われている。

最初の演目は京極夏彦作の『豆腐小僧』。千之丞氏演じる豆腐小僧の可愛らしさと、千五郎氏演じる大名の雷親父ぶりの対比が実に鮮やか。休憩をはさんでの『三人かたは』はナンセンスの極み。笑いのパワーが凄い。最後の『神鳴』(かみなり)は田楽の流れを汲む楽しくおめでたい演目。八百万の神の国に住む民衆の厚かましさとたくましさに思いを巡らせつつ、大いに笑わせていただいた。

2007年08月30日 01:00 | trackbacks (0) | comments (0)
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