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食べたり飲んだり : 中目黒・まえだや

8/4。MOKAさんご両人のお誘いで中目黒のジンギスカン店『まえだや』へ。ブームがあったのかどうか良くわからないジンギスカンだが、この店はそんなことになる遥か前の1999年にオープンしている。

駅から山手通りを南下して立体交差を左折。駒沢通りを北上し、目黒川と歩道橋を過ぎた辺りで右手の路地に入ると、最初の角に『まえだや』が見つかる。木造家屋の1Fを改装し、簡素なアルミサッシをはめ込んだだけの店構え(もとは豆腐屋だったと聞く)。目立った看板も無ければ暖簾も無く、ビールメーカーのロゴ入りの置看板だけが店名を示す。ただならぬ潔さ。

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中央の引戸から店内へ。モルタルの床に白いボード貼りの内装もまた店構え同様に簡素そのものだ。手前の6畳間ほどのフロアにちいさなテーブルが4つ5つ。左奥のキッチンスペースに貼り付くようにして5席ほどのカウンター。まずはお待たせしてしまったお二人に謝りつつ、華奢なパイプ脚のスツールに腰掛けて飲み物を注文。上品な味付けの島らっきょうとザーサイ、キュウリとセロリのにんにく和えをつまみながら肉を待つ。

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ほどなく木目の化粧板のテーブルに七輪が置かれ、ネギ塩焼とロースの網焼が登場。マトンではなくラムを使用しているとは言え、敢えてこうした出し方をする店は少ないのではないか。果たしてその肉質は実に素晴らしく、柔らかさとジューシーさに顔がほころぶ。

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続いてはいよいよジンギスカン。この日は店主・前田ゆかり氏が直々に油を引き、野菜のセッティングをして下さった。その作法は実に丁寧で、思わず見ほれるほど。いただく箸にも気合いがこもる。ネギ塩焼、網焼と同様ジンギスカンの肉も厚切り。羊肉ならではの風味はあっても嫌な臭みは微塵も無く、美味い。シメにいただいたニラ玉雑炊のふわりと優しい食感も忘れ難いものだった。

食器の趣味もまた店のつくり同様に控えめで可愛らしい。白い三角巾の女性とモヒカンの兄ちゃんのサービスも含め、この店の素っ気無さは見事に徹底されている。それだけに肉の持つ力強さが一層際立つ。勝負所をこれだけ明快に示した店は世間にそう多くはない。いつの間にか席の埋まっていた店内は、七輪の煙と、蛍光灯の白い光と、不思議な清潔感とで満たされていた。この店のデザインは完璧だ。

まえだや/東京都目黒区中目黒1-5-8/03-3716-8322
18:30-24:00(土-23:30)/日祝休

2007年08月12日 16:00 | trackbacks (0) | comments (0)
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