9/17。久しぶりに丸一日のオフ。ウヱハラ先生のトゥインゴ号で御殿場・箱根の日帰りツアーに連れ出していただいた。最初の目的地は『とらや御殿場店』。2006年にオープン。建築デザインは内藤廣建築設計事務所。
外観は細い短冊の木材に覆われた箱に薄い屋根を乗せたシンプルなデザイン。深い軒と、それを支える細い柱が印象的だ。店舗部分の南北は全面ガラス張りで、エントランスから店内越しに向こう側の庭までが見通せる。正面外観はこちら。
軒下では屋根の軽快さがより強く感じされる。各部のディテール(上の写真)は繊細で美しい。昇降機構を持つ暖簾まわりの天井面を見ると、各パーツがグリッド状の底目地に合わせて厳しく配置されていることが分かる。
店内に入ると、4m前後はあるかと思われる天井の高さに対して、インテリア造作の高さは極力低く押さえられており、極めて開放的な空間が確保されている。上の写真は左手奥から右手前方向を斜めに見たところ。飲食エリア(虎屋菓寮)は物販エリアと完全にひと繋がりで、客席の間隔は広い。
上の写真はエントランス辺りから左手奥を見たところ。東西の壁面は外部と同様の木材に覆われ、床はほぼ同色のウッドフローリング。その上に置かれたインテリア造作は主に明るい色の竹の集成材と和紙で構成され、建物との対比を見せている。大テーブル席のアップはこちら。竹集成材のキャビネットにはIH調理器とシンクが埋込まれている。引出の取手は皮の帯。
あんみつと葛切のセットを注文。さっぱりと上品。美味い。
到着したのが午前中で、店内にあまり客が居なかったからかもしれないが、ウヱハラ先生が店の内外を写真に撮っても良いかスタッフの方に訪ねたところ、あっさりと了解していただけた。外観の撮影中、強風で巻き上がっていた暖簾をわざわざ降ろして直して下さったことには驚くと同時に恐縮。大変ありがとうございました。
御殿場の『とらや』は人も空間も実におおらかで、都内からでもわざわざ和菓子を買いに行きたくなるくらいに居心地が良い。建築・インテリアデザイン好きの方には、マナーを守りつつ(フラッシュの使用や他の客に悪い印象を与えるような動きはなさらぬよう)大いに見学させていただくことをお薦めする。
現在、御殿場では『とらや工房』の建設が進行中とのこと。デザインはこちらと同じく内藤廣建築設計事務所。今年10月末のオープンが楽しみだ。
東京ミッドタウン・とらやとMUJI(April 29, 2007)