10/16。南洋堂書店とKANDADAで展覧会を見た後、神保町の地下鉄駅出入口そばにある『さぼうる』へ。言わずと知れた老舗にして界隈を象徴する喫茶&パブだが、立ち寄ったのはこの日が初めて。創業は1955年。靖国通りとすずらん通りの間にある路地に面して立つトーテムポールと山小屋風の外観(すごい取り合わせだな)が目印。
ドアを開けて玉暖簾をくぐると右手にカウンター。正面手前に細い階段があり、フロアは地上と半地下とに分かれる。
上の写真は半地下席の様子。内装もまた木造煉瓦張りの山小屋風。この日は比較的空いていたせいか、煙草の煙はさほど気にならなかった。座席の配置とその詰まり具合は実に見事なもの。天井の低さといい、なぜか悪い気がせず、かえって落ち着いた気分にさえなるのが不思議だ。どこに座っても手の届きそうな距離にある壁や柱、天井は積年の落書きで覆いつくされている。客層は年齢、風貌ともに幅広い。
コーヒーとジャムトーストを注文。見た目、味ともに申し分無い昭和喫茶仕様。満足。
会計を済ませて店を出ようとすると、マスターと思しい老齢の男性がさっとドアを開け、歯切れ良い挨拶で送り出して下さった。同じ店を同じ場所で、半世紀を超える年月のあいだ続けて来た人物だ。その姿は颯爽として、思わずはっとするくらいに格好良かった。
次はぜひナポリタンをいただいてみよう。
さぼうる/東京都千代田区神田神保町1−11/03-3291-8404
9:00-23-00(LO22:30)/日休