デザインの背後にはいつもほんの一瞬の沈黙が隠されている。何かがやって来る、もしくは何かが起こる期待感。ひとつのデザイン、ひとつのプロジェクト(企て)がこの世にすえられた瞬間、それを手掛けた者には責任が課せられる。バイソンを殺すために弓矢を使った者は、バイソンに許しを乞うことになるだろうし、敵を殺すために剣を使うことは、血が吹き散るということだろう。テーブルの上にスープの皿が添えられていたら、その皿を与えてもらえる幸せも感謝したくなるだろう。
デザインという定理は実に晦渋なものである。(エットーレ・ソットサス)
「エットレ・ソットサス 定理に基づいたデザイン」展覧会カタログ(2006)より
編集:松風綾/訳:N.N.U./発行:Shiodomeitaliaクリエイティブセンター
2007年の大晦日にソットサス氏が亡くなりました。心よりご冥福を祈ります。