12/22。浅草寺仲見世の西の脇道にある釜飯の有名店『麻鳥』(あさどり)を初めて訪れた。開業は1972年。
店構えは交差点に面した建物の角を斜めに切り落とすようにして設けられており、入口の左側には外釜場(釜飯の調理実演ブース)、右側のショーケースにメニューサンプルが並んでいる。べんがらの暖簾を分けて店内へ。店員さんの案内に従って、右手にあるメインのキッチンと外釜場の裏側に挟まれた細い通路を進み、奥のテーブル席に到着。八畳間くらいのスペースに4人掛けのテーブルが7つほど、通路脇に4、5人掛けのカウンター席が詰め込まれている。さすがにゆったりとは行かないが、左官と木造作によるそつのない内装と、抑えの効いた照明のおかげもあって、割合落ち着いた雰囲気となっている。入口のすぐ右脇には急な階段があり、その先に座敷席があるようだ。キッチンをのぞくと調理スタッフは少なくとも5、6人。それにしては見るからに狭い。動線面も含め、運営面にはかなり苦労があるだろうと察する。
かき釜飯と五目釜飯の「竹」を注文。釜飯は注文後2、30分かかるとのことなので、穴子焼をつまみながら待つ。メニューをよく見ると魚介と鳥の串焼きの種類もかなり充実しており、客としてはなかなか使い勝手が良さそうに思われる。実際、他のテーブルを見ると客層は様々で幅広い。
釜飯は一品ずつ小さな釜にしゃもじを添えて供される。さっぱりとした出汁に素材の良さが引き立つ実に上品な味わい。おこげまで美味しくいただいた。観光地のど真ん中で丁寧な仕事をなさっていることが大変好ましく、有り難い。今後もぜひお世話になりたいものだ。
麻鳥(あさどり)/東京都台東区浅草1-31-2/03-3844-8527
11:00-21:30(LO21:00)/年中無休