life
life of "love the life"

都市とデザインと : JIN'S GARDEN SQUARE 青山店

4/10。原宿で打ち合わせの後、外苑前の駅への通り道にある『JIN'S GARDEN SQUARE 青山店』に立ち寄った。眼鏡などのアイウェアを中心に、バッグやアクセサリーと言った雑貨までを幅広く扱うショップ。同じ場所にあった『JIN'S GLOBAL STANDARD 青山店』(2006年3月オープン)を拡大リニューアルして2007年10月にオープン。内外装デザインを手がけたのは中村竜治建築設計事務所

その空間は物販店舗として極めてユニークで、しかも実に楽しい。ベースとなるのは床壁天井を白く塗り潰した直方形。前面道路側はサッシュレスのガラススクリーンによって半ば開放された姿となっている。内部には躯体柱、疑似柱を含め数十本の白い四角柱がバラバラと林立し、それらの周囲を木製の棚が円形に取り巻く。円の中心は微妙にズレており、その高さはまちまちに設定されている。ダウンライトのレイアウトもバラバラで、特にどこを照らすでもなくフラットな光が店内全体を包み込む。

080410_jinsgardensquareaoyama.jpg

外から覗く限りでは少々雑然とした印象があり、一見して全体像を想像することのできないなんだかミステリアスな店だ。ところが、一旦内部へと足を踏み入れ、柱の間に狭くランダムに広がる動線を縫うようにして歩きながら、そこかしこに気になる雑貨を発見する感覚には、まるで森の中を散策するような喜びがある。こんなのはまともな店ではまず体験し得ないが、店として破綻しているかと言うと、驚いたことに、全くそんなことはない。棚メインの什器構成自体はこの種の店舗としてごく真っ当なもの。適所にミラーやフックもさりげなく設置されており、売場として違和感無く成立してしまっている。商品ディスプレイから察するに、店のスタッフもこの空間の使い勝手を楽しんでいるようだ。

ついに「売場を料理できる建築家」が登場したか。改装前の店もぜひ拝見したかった。こうした優れた作品性と話題性のある店が登場することで、かつて建築家にとってほんのアルバイトのようなものだった商業建築や店舗が、むしろ「カッコいい」仕事と本格的に見なされるようになれば喜ばしい。

JIN'S GARDEN SQUARE 青山店

2008年05月06日 07:00 | trackbacks (0) | comments (0)
comments

post a comment




*ご記入のメールアドレスはブログ管理者にのみ通知され非公開となります。



back|mail
copyright