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都市とデザインと : JIN'S GLOBAL STANDARD 流山店

5/10。ウヱハラ先生のルーテシア号で水戸芸術館へ。宮島達雄展を見た後、ひたちなか市の『サザコーヒー』本店で珈琲と食事。帰りがけに千葉県『流山おおたかの森 S・C』に立ち寄り『JIN'S GLOBAL STANDARD 流山店』を見た。2007年3月オープンのアイウェア店。内装デザインは中村竜治建築設計事務所

ショッピングセンターはつくばエクスプレスと東武野田線のターミナル駅に併設されているが、道路からアクセスすると周辺は未開の荒野のような状態。唐突に出現する巨大な積み木状の建造物の姿は蜃気楼のようで現実味に乏しい。駐車場棟から売場へ入り、フロア中ほどの吹き抜けに横付けされたエスカレーターで2Fへ。目当ての店は通路を挟んだ正面右手に現れた。

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床も、壁も、天井も、全てフラットなオフホワイトに塗り込められている。角地にあるほぼ正方形の店舗区画を斜めにスライスするようにして壁造作が連続し、客はその間にある狭い動線を通り抜けつつ、壁に設えられた奥行きのちいさな棚什器に並んだ眼鏡フレームを手に取って吟味する(棚什器コーナー部分)。

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壁の途中には奥へとショートカットのできる開口があり、客は割合不自由無く売場を動き回ることができる(通路と壁の開口)。角から見て最奥の隣地側には検眼や眼鏡加工のためのスペースとレジカウンターが売場をL字に挟むようにして並んでいる。均質化された空間のそこかしこにあしらわれたサイズの異なるミラーの効果と相まって、店内はまるで迷宮のようだ。要所に用いられたモールディングがその印象をより強調し、深みを増す。

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什器構成そのものはアイウェア店として至極真っ当なもの。しかし店舗のプランニングとしてこれは全くの異常事態だ。なにしろ店内にその全体像を伺える場所がどこにも無いのだから。たしかにレンズも入っていない未調整の眼鏡フレームが万引きされることはほとんど無いだろうことは頭では理解できるとは言え、これを提案したデザイナーと了承したクライアントのチャレンジには心底敬服する。まさに目から鱗。

際限なく歩き回っているうちに、自分の居場所がはっきりしない感覚に陥って、なんだか少し気持ち悪くなってきた。吹き抜けのそばのベンチでひと休み。それにしても不思議で楽しい店だ。店舗のデザインにこんな可能性があったか、と思うと希望が湧いて来る。

JIN's GLOBAL STANDARD 流山店

JIN'S GARDEN SQUARE 青山店(May 6, 2008)

2008年07月01日 15:00 | trackbacks (0) | comments (0)
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