4/27。国立能楽堂で『春狂言2008東京公演』。茂山童司氏の解説に続いて、大蔵流狂言『鶏聟』(にわとりむこ)。出鱈目な作法を吹き込まれた聟(茂山正邦氏)と、彼に恥をかかせぬよう受け応える舅(茂山千五郎氏)。滑稽さの中に心温まるような優しさを感じさせる。狂言ならではのシンプルでなんとも御目出度い演目。休憩を挟んで大蔵流狂言『縄綯』(なわない)。へそを曲げた太郎冠者(茂山千之丞氏)のチャーミングなこと。上下(かみしも)を振りながらの独り語りは落語のよう。最後は新作狂言『がたろう』(小佐田定雄作/茂山千之丞演出)。被り物キャラの競演が楽しい。
6/3。本多劇場で『伊東四朗一座 - 帰ってきた座長奮闘公演 - 喜劇・俺たちに品格はない』。船場吉兆パロディの前説に続いて、戸田恵子氏唄うアイドル歌謡曲(徐々にマイナーに変調してド演歌になってしまう)で賑々しく幕開け。渡辺正行リーダーのボケとラサール石井氏のツッコミ(嗚呼ここに小宮孝泰氏が居れば。。。)を懐かしんだり、伊東四朗座長の突発的なギャグに面食らったりしている間に、三宅裕司氏がゆるゆると堅実にストーリーを牽引する。中盤、春風亭昇太師匠が登場して狂犬のようなテンションで舞台をかき回すと、一気に不条理な展開へ突入。ナンセンス極まりない戦場コントは伊東氏の独壇場。まさに絶品。途中リーダーのベルトが切れたり、アンパンマンが登場したりしつつ、勢いを維持したまま座長の演説で終演。胸の透くような極めつけの軽演劇。こりゃ癖になるなあ。
7/20。TOHOシネマズ錦糸町で『崖の上のポニョ』。宮崎アニメ史上最狂の暴走するヒロイン。消え入りそうな弱さと清々しいまでの男気を併せ持つ5歳児。彼らの出会いから生じる異常現象や災厄を、他の登場人物たちは戸惑うこと無く穏やかに受け入れ、物語を大団円へと真っ直ぐに導く。スクリーン狭しと蠢き、躍動する形象の全てがこぼれんばかりの寓意と象徴性を孕み、呆気にとられる観客席へと容赦なく打ち寄せ、汚れた常識を破壊し、押し流す。途中これほど何度となく大笑いし、不意に涙腺の緩む思いを繰り返した映画は久方ぶりだ。『千と千尋の神隠し』に比肩する傑作にして野蛮な魅力に満ちた実験作。おそらくこういう映画は何年か後でないと正当な評価を受けることは無いのだろう。かつて多くの宮崎作品がそうであったように。DVD購入決定。
うお〜!
もうポニョ見たんですね。
いいなー!早く見たい。
よかったんですねー!早く見たい。
混んでました?
>ぺすかさん
うわわ、超遅レスになってしまってごめんなさい!なぜかフィルターに引っ掛かってました。。。
兎も角も、ポニョは個人的に思い切りツボでした。でもきっと好き嫌いが激しく分かれそうです。私たちはシネコンのサイトで指定席を取ったんですが、20:00以降の回とかだと1日前に楽々変えました。今なら余裕かも?