7/25。OVEでレクチャーの打ち合わせ後、少し時間が空いたので周辺の裏通りを久方ぶりに散策。フロラシオンの正面から青山通りへの抜け道の中ほどにある『浅葉克己デザイン室』の前を通り掛った。言わずと知れたグラフィックデザイナー・浅葉克己氏のオフィス。建築設計はアルド・ロッシ+モリス・アジミ。1991年完成。
ブルーのスペイン瓦屋根に煉瓦タイルの袖壁。開口部にスライド式の板戸がずらりと並び、正面を覆う。窓枠のライトブルー、金物部分のグリーンが曇り空の下にも鮮やかに映える。3階建てのちいさなビルにはアルド・ロッシ好みのディテールが散りばめられ、オフィスにしてはなんとも楽しげで賑やかだ。全体の可愛らしい佇まいに対して、金色の鉄板で囲われた重厚なエントランスはまるで取って付けたような具合でやけに印象に残る。敷地左右の塀の表には竹垣を模したグリーンのパイプが並ぶ。
築後17年を経て、木部や塗装の傷みは少々目立つものの、そのくたびれ具合がかえって建物の魅力を増している。一方、近隣にはここ1年ほどのうちにますます空き地が目立つようになっており、本格的な再開発の気配が漂う。このままひっそりと生きながらえてくれれば良いが。