8/20。ギンザグラフィックギャラリーで『THA/中村勇吾のインタラクティブデザイン』を見た後、以前に東さんのブログで話題となっていた『マーケットワン』の跡地前を通りかかった。倉俣史朗が1970年にデザインしたブティック。現在はその内装をほぼ残したままの状態で別のブティックが入居し、営業している。
ところどころあるべきものが取り去られ、無かったはずのものが付け加えられた姿は痛々しい(なんて書いてしまうのは現在の店舗オーナーに申し訳ないが)。研ぎ澄まされた空間が生命線の倉俣作品であればなおのこと。彼が存命であればいっそのこと跡形も無くなってほしいと願うことだろう。
とは言え、FRPで造形された洞穴のような空間はほぼ健在。ここは敢えて、今のうちに足を運んで往時を偲んでみられることを(特にプロの設計者の方々に)お勧めしておく。ちなみにこの『マーケットワン』跡地のある尾張町ビルは1933年竣工(設計者は不明)の近代建築とのこと。『ビヤホールライオン』しかり、そこかしこで意外なデザイン史の堆積が、その断面をのぞかせているのが銀座という街の面白いところだ。
見つけました「MARKET ONE」(JA Laboratory / News 2007/09/21)