10/19。ウヱハラ先生のルーテシア号で日光東照宮へ。東京に暮らして十年以上になるにも関わらず、なんと権現様にご挨拶するのはこの日が初めて。
参道を逆に見たところ。国の特別天然記念物であり特別史跡もである日光杉並木(1625頃から20年ほどをかけて植栽されたもの)にいきなり度肝を抜かれた。あまりに壮大過ぎる。入口にある石鳥居は、石造の鳥居としては最大級のもの(高さ5m)。この杉並木の狭間にあってはごく常識的なサイズにしか見えない。鳥居をくぐるとすぐ左手にある五重塔もまたしかり。それでも五重塔を間近で見上げ、極彩色の斗栱(ときょう)にシビれた辺りで、脳のどこかのスイッチが何やらパチンと入ったような感覚になってバシバシ写真を撮りはじめた。そして、この恐るべき超絶造作は、奥へと向かうに連れてぐんぐんとテンションを上げてゆくのだ。
表門を向かって右側の裏側脇から見上げたところ。
三神庫(さんじんこ)のうち下神庫,中神庫(全景),中神庫(部分)
中神庫の前から御水舎の方を見る,上神庫(全景),上神庫(部分)
神厩舎(しんきゅうしゃ/全景),神厩舎(部分)
御水舎(おみずや/全景),御水舎(部分),輪蔵,伊達政宗公奉納南蛮鉄灯籠
御水舎前から陽明門見上げ1,御水舎前から陽明門見上げ2
鐘楼前欄干を支える狛犬(右),鼓楼前回転灯籠,本地堂前から東側を見る
鐘楼を手前から見上げたところ。
廻廊。半立体の花鳥彫刻(部分1,部分2)が陽明門の両脇に延々と居並ぶ。
陽明門の向かって左側を裏側から見上げたところ。
狂気の沙汰と言いたくなる過剰さ。
陽明門裏面(全景),陽明門裏面(部分),神輿舎(しんよしゃ)
御本社唐門(全景),御本社唐門(部分),唐門左脇透塀(すきべい)の千鳥
有名な眠り猫は祈祷殿の脇、坂下門手前回廊の蟇股にちょこんと寝ている。大きさは仔猫程度。坂下門(全景,部分1,部分2)を抜けて、長い石段を奥宮へと上がると、拝殿の裏に宝塔(家康廟)がある。眠り猫の凄さは、その出来不出来以上に、こうした重要な場所にこんな可愛らしい彫り物を配置してしまうセンスにある。左甚五郎の作と伝わるのは、そのセンスゆえなんだろうな、と了解した(事実なのかもしれないけど)。
御本社まわりは現在修復工事中。神前だけに撮影は不可だった。陽明門に勝るとも劣らぬ造作振りだっただけに心残りではあるが、またぜひ伺うとしよう。
石段から坂下門を見下ろしたところ。
その過剰な人為と信仰の力の漲りに思わずフィレンツェのドゥオモを思い出した日光東照宮だったが、それは広場に鎮座するのではなく、巨大な木々の狭間に埋もれるようにして在った。そして、その森もまた人間の手でかたち作られている。これが日本の宗教観であり都市観なんだな、と感じ入った。
日光杉並木と保護活動(日光東照宮)
日光東照宮(Wikipedia)