12/23。昼前にホテルを出て地下鉄で京都駅へ。荷物を置いてからバスで三十三間堂まで。お隣の『ハイアットリージェンシー京都』を視察。京都パークホテルを改装して2006年にオープン。ロビー部分とレストランフロアのインテリアデザインをスーパーポテトが出掛けている。
上の写真は奥からエントランスを見返したところ(こちらは逆にエントランスから奥を見たところ)。格子パターンの鋳鉄パネルに覆われた天井が拡がりの感覚を与え、その空間は智積院の庭へと透けてゆく。視覚的軽快さと物質的重厚さ。その両方を同時に印象づけるユニークなデザイン。
食事は地下1Fの和食レストランフロア『東山(とうざん)』で。こちらはロビー以上に見応えのある空間だった。大きなフロアに石やスチールの造作がざっくりと余裕を持って配置され、実に穏やかな風景をつくり出している。アジア各国でメガレストランを手掛けたスーパーポテトの手法が、磨き抜かれたかたちで里帰りしたように思われた。寒鰤と聖護院蕪の丼ぶりはボリュームたっぷりでこれまた大いに満足。残念ながら写真はエントランスだけ。
再びバス移動。超ド定番観光地にして未だ勝野がまともに見たことのなかった清水寺へ。
茶わん坂から仁王門を抜けて舞台に至るまでの浮かれぶりにややくたびれつつ歩を進める。立派な檜の床は話に聞く通りピンヒールの跡だらけだ。そんなこんなで阿弥陀堂まで到着すると、ようやく上の写真の光景が。清水寺の見所は何と言ってもこの木造人工地盤が醸し出す土木的迫力に尽きる。
下から見るとさらにカッコいい。欅の丸柱が林立し、本堂と舞台を支える。筋交いを持たない懸造りの構造(さらに別の見上げ写真と廻廊下辺りの美しい石垣)。
途中の茶店で一服しつつ、ふと茶金さん(はてなの茶碗)が居たのはどの辺だろうかと思う。残念ながら茶店の茶碗はプラスティック製。
再度バスに乗って東山から地下鉄へ。市役所前から河原町を下り『六曜社(ろくようしゃ)地下店』へ。1950年に一階店が開業し、少し遅れてこの地下店が出来たそうだ。日中は自家焙煎珈琲の専門店で18:00以降はバータイムとなる。
暗色の木造作に覆われた間口の狭い店内には10席ほどのカウンターとテーブル席が4つ5つ。ちょうど混みはじめの時間帯。手前階段脇のカウンター席に滑り込んでブレンドとドーナツとロールケーキを注文。
カップにたっぷりのコーヒーの味は軽めながらバランスに優れる。自家製ドーナツは表面がかりっと固めで中はずっしりもっちり。それでいて口溶けが良く甘さは控えめ。この店のこの組み合わせはつくづく最強だ。互いに最適化された素朴にして繊細な風味にうっとり。ロールケーキもその方向性は同様。
地下鉄で京都駅に戻ってJRで大阪入り。福島の駅で須賀さんご夫妻と待ち合わせてすぐ近くの横丁にある串揚げ店『髭政』(ひげまさ)へ。1Fにカウンター席が10弱、2Fにテーブル席がいくつか。この日はテーブル席でくつろがせていただいた。早くも疲れたのか、ビールで即いい気分に。
創作的な串揚げ、となるともう大阪の独壇場。とりわけこの店はその独創性とコストパフォーマンスの高さによって、舌の肥えた客筋のあいだで一目置かれる存在とのこと。こんなものと奈良漬けが、まさかこれとブルーチーズが、と言った具合で目から鱗の連続。今度はぜひワインで、かつカウンターでいただいてみなくては。