12/25。須賀さん宅で起床。少し仕事をさせていただいてから凌子さんとお別れ。2泊もさせていただいて恐縮です。地下鉄を南森町で降りて、ホテルに荷物を置き、さらにJRで大阪天満宮から大阪城公園へ移動。ホテルニューオータニB1Fの『今井』で遅い昼食。道頓堀に本店(1946年創業)のあるうどん・蕎麦店。こちらの店は三橋いく代氏(スタジオ80)が内外装のデザインを手掛けている。1986年オープン。伺うのはこれが初めて。
上の写真はホテル内の共用通路に面した店構え。暖簾手前の壁面は色違いのカラーコンクリートを帯状に固め、小叩きで仕上げたもの。反対側は土壁調。パンフレットの写真を見たところ、元は磨き出し黒のウレタン塗装だったようだ。
店内(上の写真)には12席の大テーブルに加え、4人掛けのテーブルが2セットに2人掛けのテーブルが4セット。それぞれ形状の異なるカラーコンクリートの意匠柱がフロア中ほどに3本直列し、ひとつが大テーブルに、ひとつがジカウンターに、もうひとつが床に直接突き刺さる。壁面は人の背丈ほどの高さまでが磨き出し黒のウレタン塗装の造作に覆われ、それ以外の部分と天井はフラットな塗装仕上げ。通路に面した黒壁の下半分にはガラスが嵌め込まれており、その境目が他の黒壁の目地の高さに呼応し、さらにテーブルの高さ、チェアの背の高さ(子供用チェアの高さまで)がぴたりと揃う。
天井にはテーブルレイアウトに沿ってL字形に配置された照明造作(上の写真右/よく見ると塗装のトーンを天井と壁とで微妙に違えてあるのが分かる)。一見さりげない佇まいのコンパクトな空間ながら、まさしく一切が動かしようの無い厳しい整合性に支配されている。凄い。もっと早く拝見するべきだった。
床の大部分にもまたカラーコンクリートの小叩きによる繊細な仕上げが施されている(上の写真左)。こうした仕上げの手法は東京・西麻布の『ゆず亭』でも見ることができるが、空間全体の印象は丸きり対極的。
そして、天ざるそばと鴨なんばそばをいただいてさらに驚いた。蕎麦のコシと香りの素晴らしいこと。上品な出汁は見事な大阪クオリティ。これほどの蕎麦には東京でも滅多にお目にかかれない。目から鱗。これは本店にもぜひ伺わねば。
その後、JRで大阪天満宮に戻ってホテルの近くをしばらく散策。
『天満天神繁昌亭』昼景。
『大阪天満宮』大門に吊られていた方角盤。
繁昌亭に戻って夜席と『できちゃったらくご - クリスマススペシャル - 』。
こちらについてはまた後日まとめて。
終演後、北新地方面へ歩いて新御堂筋沿いのポルトガル料理店『ポルトガリア』へ。
豚の耳とソラマメのサラダ、ゆでタコ”ポヴォア”風、タラのオーブン焼きご飯などを堪能。シンプルで素材の滋味あふれる品々。23時くらいに来てこんなにしっかりいただけるのが有り難い。おこめのプディングも美味しかった。