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身体と空間の芸術, 都市とデザインと : 展覧会行脚のメモ 2008年11,12月

11/1。江戸東京博物館で『ボストン美術館 浮世絵名品展』。江戸中期から幕末までの浮世絵を網羅する内容。懐月堂派にはじまり、鈴木春信鳥居清長喜多川歌麿東洲斎写楽葛飾北斎歌川広重歌川国芳らの作品がぎっしりと居並ぶ様は壮観。見終えてぐったり。画面を覆う繊細なエンボスは数百年の時を越えて未だ生々しい。
春信の作品をまとまった数で見たのは初めてのこと。簡潔で、女性的で、なんとも可愛らしい。写楽の後期作品(全身像の役者絵)には印刷物を見る限りではさほど魅力を感じなかったが、実物はやはり力強い。ポスターにも使用されていた歌川国政の作品は、少数ながら期待を上回る素晴らしさ。生命感漲る輪郭線によってキャラクター化された役者のクローズアップ。極めつけに現代的でグラフィカル。

11/7。田町・ AATロビーギャラリーで『武藤奈緒美作品展 空想文学旅 VOL.1』。文学作品に寄せた三重・和歌山の風景写真。展示手法としてはやや散漫な印象だったものの、写真から伝わる空気感はガツンと濃密。妙な言い方かもしれないけど、まるで人物写真のような風景写真だ。『かわら版』などで撮り続けておられる落語家の写真展をぜひとも見たい。

12/16。ギャラリー間で『安藤忠雄建築展 挑戦 - 原点から - 』。原寸大『住吉の長屋』に度肝を抜かれた。ギャラリーと屋上テラスを隔てるガラススクリーンを取り去り、2つのフロアに跨がっての完全再現。単純明快で破壊力満点なこのやり方はいかにも安藤氏らしい。極小の敷地に最大限の自然を取り込みつつも周辺環境から隔絶された室内には、さながら孤島のようなユートピア性が感じられる。他にもいろいろ展示されていたような気がするが、『住吉の長屋』のおかげですっかり記憶から吹っ飛んでしまった。

2009年02月11日 13:00 | trackbacks (0) | comments (0)
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