3/29。『今井』本店を出て道頓堀通りから千日前商店街へ。ほどなく右手に『アメリカン』が出現する。1946年創業の大型喫茶店。伺うのはこの日が初めて。
上の写真がその店構え。ゴールデンな立体文字看板と茶筅のようなデザインのシーリングライトがいい。看板のアップはこちら。
大きな自動ドアから店内に入るとすぐ右にカウンターショーケースとレジ。上の写真はエントランスまわりの様子(やや左寄りの写真はこちら)。シャンデリア球をぐるりと円形に並べたシーリングライトがいい。見回すと他にもやたらと造形的な照明器具がいくつもある。写真にはあまりよく写っていないが、ややサイケデリックなカーペットのデザインも秀逸。ショーケースに並ぶお菓子のパッケージがエグくてこれまたいい。奥側のフロアが一段上がったところが客席。さらに、エントランス左手の吹き抜けにゆったり配置された階段を2Fへ上がると、そちらにも広大な客席がある。あわせて200席以上とのこと。
上の写真がその階段まわり(縦位置の写真はこちら)。タイル張りの壁面に取り付けられた木製オブジェの有機的なフォルムがいい。
上の写真が2F客席。間接照明を組み込んだ連続アーチの天井が実にいい。椅子の張地やカーペットの微妙なグラフィックセンスがまたいい。
上の写真はメニュー表紙。この間合い。やろうと思ってもなかなか出来るものではない。スエード調の質感もナイス。自家製プリンのハードな仕上がりは今や斬新でさえある。流行のなめらか路線に慣らされた軟弱な味覚に喝。ぜひともお土産に買って帰りたいところだったが、遠方のためさすがに断念した。
期待していなかったコーヒーは、意外や深入りの骨太な味わい。ぜんぜん「アメリカン」じゃない。自家焙煎なのだそうだ。まったくもって油断も隙もない、かつ懐の深い店。大阪に居た頃にノーチェックであったことが悔やまれる。
アメリカン/大阪府大阪市中央区道頓堀1-7-4/06-6211-2100
9:00-23:00/第2・3木曜日とその他1回木曜日の月3回休み
5/17(日)の14:00から『元浅草勉強会 02』を開きます。
ショートレクチャーのお題は『境沢孝とポストモダン - 1960年代から』。今回は境沢孝の作品をがっつりとご紹介します。
境沢は今では全くと言ってよいほどメディアには取り上げられることの無い存在ですが、かつて商環境の分野において多大な功績を残した「インテリアデザイン界最初のスター」です。表現主義からポストモダンまでを一気に橋渡し、インテリアデザインのボキャブラリーを飛躍的に豊かにした鬼才の活動は、質・量ともに実に凄まじいものでした。倉俣史朗の手に入れた自由も、その後のインテリアデザインの爆発的な発展も、境沢の拡げてくれた世界無くしては有り得なかったかもしれません。デザイン表現が商業化され、消費され尽くした現代、私達にはあらためて彼の遺したものを研究し直す必要があるように思います。
参考:
境沢孝の言葉(December 2, 2008)
日本橋・カフェテラス東洋(March 18, 2008)
日本橋・レストラン東洋(July 17, 2006)
ティータイムにお出しするオルタナ系日本茶はまだ未定。おそらく富士見園(新潟・村上)の在来種をご用意できるんじゃないかと思います。
至って敷居の低い、ちいさな勉強会です。どなたもどうぞお気軽にお申込み・ご来訪下さい。
元浅草勉強会 02
ショートレクチャー担当:love the life(ヤギタカシ・勝野明美)
テーマ「境沢孝とポストモダン - 1960年代から」
・日程 :2009年5月17日(日)14:00より
・場所 :love the life アトリエ(住所などはこちら)
・お茶代 :一般 1000円,学生 500円
・各回定員:だいたい5名様くらい(申込先着)。
・申込方法:メールでどうぞお気軽に。
ご参加日、お名前、ご連絡先、ご参加人数、
一般・学生の区別をお知らせ下さい。
元浅草勉強会の概要はこちら。
会場の都合により中止となりました。
6/27(土)に一般公開のレクチャーをやらせていただきます。今回も新作根多下し、かつ過去最高にレア物揃いの内容になりそうです。love the lifeの研究資料を大画面でご覧いただきつつ「インテリアデザイン愛」満載の辛口漫談をお楽しみ下さい。特製おにぎりも付いてます。
OVE インテリアレクチャー第3回
商環境デザイン史外伝・その2
インテリアデザインと建築とは別物ですか?
話す人:ヤギタカシ+勝野明美 (love the life)
2009.6.27(土)19:00-22:00 途中休憩あり
参加費:3500円 特製おにぎり+ソフトドリンク付
会場・申し込み・お問い合わせ:Life Creation Space OVE(オーブ)
港区南青山3-4-8 / www.ove-web.com / 外苑前駅1a出口徒歩約10分
予約制 定員:40名様 先着順・定員になり次第締め切り
メール:info@ove-web.com / 電話:03-5785-0403 担当:古田さんまで
日本のインテリアデザイナーは、過去一世紀あまりをかけて世界にも類を見ない環境表現を発展させてきました。かれらの活動はもっぱら飲食店や物販店など、商環境のインテリアにおいて注目されていますが、実は多くのデザイナーがその手法を生かしたユニークな住宅、あるいは建築をデザインしてきたことはあまり知られていません。
インテリアデザインのメインストリームを辿った第1回、各地の特徴的なインテリアデザインを訪ねた第2回に続く今回は、建築史では傍流としてさえ扱われることの無い、インテリアデザイナーによる“奇想”の住宅・建築作品が一挙に登場。1970年代から近年までの実例をご紹介します。また、逆に建築家による商環境デザインについても考察してみることから、インテリアデザイナーと建築家との語彙の相違をあぶり出すことを試みます。デザインに詳しい方も、ぜんぜん詳しくない方も、「こんな家ってアリかも!」と、目からウロコをポロポロ落としつつ、どうぞごゆっくりとお過ごし下さい。
はたしてインテリアデザインは、その独特の表現手法を継承してゆくことが可能でしょうか。
皆様お誘い合わせの上どうぞお気軽にお越し下さい。
レクチャー@OVE 2008/09/05(November 1, 2008)
レクチャー@OVE 2008/12/13(January 14, 2009)
3/29。天満天神繁昌亭で『早朝もっちゃりーず寄席』を見てから難波へ移動。『蘭館珈琲ハウス』なんばCITY店でくまざわあかね先生と待ち合わせ。『今井』本店で昼食。1946年創業のうどん・蕎麦店。昨年末にホテルニューオータニ大阪店(インテリアデザインを三橋いく代氏が手掛けている)に伺って以来「ぜひ本店にも」と思ってはいたが、こんなに早くその機会があるとは。
店舗は中座の火災後、2003年に建て替えられた中層の自社ビル内にある。道頓堀通りの南側に面した1Fエントランスには和風の木造作と立派な柳の木。上階は御影石張り。間口三間ほどのこぢんまりとした設えながら、大阪きっての猥雑な繁華街にあって、その静かな佇まいはかえって印象的だ。暖簾をくぐり自動ドアを開けると、ちょうど昼時とあってレジ前にものすごい行列が。それでも20分弱の待ち時間で1F手前のテーブル席に落ち着くことができた。見かけによらず、かなりの席数があるようだ。エントランスと同様、内装も白木と淡色の左官が基調のすっきりとしたもの。きつねうどんと鴨ざるそば、豆御飯を注文。
極めつけに上品な出汁。あぶらあげから染みた甘味。麺のつややかでやさしいこと。「はんなり」と言う単語はまさにこのような体験のためにある。期待に違わぬ上方のきつねうどんだった。しみじみ美味い。豆御飯との取り合わせは完璧。
そして、蕎麦もまた素晴らしいのがこの店の凄いところ(蕎麦近景)。鮮やかな食感と香りにこれまた大いに満足させていただいた。
今度伺う機会があれば、あの出汁をさらにたっぷりと堪能したいものだ。鍋焼きうどんもさぞかし見事に違いない。
今井 本店/大阪府大阪市中央区道頓堀1-7-22/06-6211-0319
11:00-21:40LO/水休
3/28。大阪は千日前・南海通りにて。『福太郎』を出てさらに東へ向かうと、こんな風景がひろがる。
まるで描き割りのように薄っぺらでリアリティの欠落した街。なんともチャーミングだ。写真中央には宴会場『味園』、キャバレー『ユニバース』のネオンサインがそびえ立っている。
3/28。『会津屋』ナンバ店を出て南海通りを東へ。しばらく行くと左手にねぎ焼き・お好み焼きの有名店『福太郎』の看板が現れる。伺うのはこの日が初めて。
藍の暖簾を挟んで引戸がふたつ。右側を入ったところで表に名前を書いて、外のテント下に並んだ椅子で待つこと20分くらいで店内へ。私たちの後には結構な待ち人数となっていた。フロア中央に大きなキッチンスペース。その三方をコの字型の鉄板カウンターが囲う。右側最奥の席に並んで飲み物とすじねぎ焼き、豚玉のお好み焼きを注文。
写真上がすじねぎ焼きで下が豚玉(全景)。見事にとろふわな焼き上がり。ソースやマヨネーズは薄く、仕込は実にシンプルだ。ねぎが、すじが、豚がひたすら美味い。
続いて地鶏のたたき(写真左上)、どて焼き(写真右上)、アボガド豆腐、塩焼きそば(写真下)も注文。素材自慢のストレート勝負はどの品にも共通している。ハズレ無し。気になるメニューはまだまだあったが、さすがに満腹に。無念の思いで会計となった。今度はいつ来れるかなあ。
福太郎/大阪府大阪市中央区千日前2-3-17/06-6634-2951
17:00-24:00(土日祝12:00-23:00)/年中無休
4/19に『元浅草勉強会 01』が開かれました。詳細予告でハードルを思い切り上げてしまったような気がしていたんですが、盛況のうちに終了することができました。ご参加いただいた皆様、どうもお疲れさまでした。お楽しみいただけましたでしょうか?私達はとても楽しかったです(笑)。
驚いたのはご参加のどなたもインテリアデザインとは直接に関わりのあるご職業ではなかったこと。その向学心に感服です。おかげさまでねらっていた以上にひろがりのある興味深いお話をたくさんさせていただきました。大変ありがとうございます。とは言え、インテリアデザイン関係の方のご参加が全く無いのもやや寂しいですね。次回以降はご同業の方、また学生の方、それからもちろん今回同様インテリアデザインにご興味のある一般の方も、どうぞお気軽にご参加いただけると嬉しいです。
『元浅草勉強会 01』でご提供したお茶とお茶請けは下記の通りです。
・藤枝かおり 瀬戸谷印(マルミヤ製茶・2008)
・上勝阿波晩茶(山田産業・2007)
・かしわ餅(栄久堂)
次回『元浅草勉強会 02』は5/17(日)の予定です。こちらの詳細、および7月の予定が決まりましたら、このブログでお知らせします。皆様のお越しを楽しみにお待ちしています。
love the life / stady(元浅草勉強会)
元浅草勉強会 01 詳細(April 7, 2009)
3/28。大阪市中央公会堂から御堂筋線で難波へ移動。ワッハ上方ホールで『第六回東西師弟笑いの喬演』。終演後、NAMBAなんなん(大阪最古の地下街で開業は1957年)にある『会津屋』へ。『会津屋』は1933年創業のたこ焼き店。ラジオ焼きの屋台にはじまり、初代店主が明石焼きを真似てタコを具材としたのが、通説ではたこ焼きの起源と言われている。現在の本店は西成区玉出にあり、本来ならぜひ詣でたいところながら時間的にも距離的にも微妙に無理があったため、この日はナンバ店へ伺うことにした。
いかにも仮設然としたトタン波板張りのこぢんまりした店構えは、賑やかな貼紙ですっかり覆い尽くされている。上の写真の店舗右奥には十数席のカウンターがあり、イートインが可能。元祖たこ焼きとラヂオ焼きを注文した。
上の写真が元祖たこ焼き。一般的なたこ焼きと違い、『会津屋』のそれにはソースもかつ節も掛かっていない。出汁がしっかり効いており、このまま食べても美味い。小麦粉の量は控えめで、なんとも軽い食感がまた特徴的。実に品のあるおやつ。ワイルドな店の作りからは全く想像のつかない味だ。カウンターにはソースなどの調味料入れが置かれ、客は各々自由な食べ方を楽しめる。私達はポン酢を少々付けていただくのが一番気に入った。
こちらはラヂオ焼き。ラジオ焼きはたこ焼きの原型と言われる料理で、具材はこんにゃくとスジ肉。『会津屋』では2005年にメニューに復活させたそうだ。出汁の染みたスジと歯ごたえのあるこんにゃくの組み合わせが、たこ焼きとは似て非なる完成された風味をつくりだす。これは酒のつまみにも良さそうだ。こちらは元祖たこ焼きとラヂオ焼きの断面。
原点のたこ焼きは上方らしいはんなりとした味わいだった。次はねぎ焼き、ラジ玉焼きなどのアレンジメニューもぜひいただいてみたい。
会津屋 ナンバ店/大阪府大阪市中央区難波5丁目NAMBAなんなん内
06-6649-7708/11:00-22:00(土日祝-21:00)/奇数月第3木休
3/28。大阪は難波・吉本会館正面にて。
ブティックじゃなくてパチンコ屋さん。
施工精度はオリジナルといい勝負でした。
3/28。『大阪市中央公会堂』のレストランで野井成正さん、アシスタントの松本直也さんと昼食。『大阪市中央公会堂』は1918年に竣工。岡田信一郎が設計原案、辰野金吾と片岡安が実施設計を手掛けている。老朽化のため一時は取り壊しの危機に瀕したものの、1999年に免震装置の設置、耐震補強、内装の改修などを含む大規模な保存再生工事が開始され、2002年に完了。地下食堂は中央フードサービスが運営するレストラン『中之島倶楽部』へと様変わりした。
上の写真は南面(土佐堀川側)外観。リニューアル後に見るのは初めて。こぢんまりした佇まい、繊細なディテールはそのまま。それにしてもあまりに綺麗になっていて少々面食らった。やればできるじゃないか大阪市。
上は南面左側の出入口。このすぐ右脇にバリアフリー化に伴いエレベーター乗降口のガラスボックスが設置されている。レストランは建物中央の大きな階段を降りたところのちょっとした広場に面しており、地下とは言っても明るい雰囲気だ。海老フライ定食(写真では分かり辛いが海老がかなり大きい)やオムライスをいただきつつ談笑。
話しに夢中で時間が無くなってしまったため、建物の見学はまたの機会に。すぐ近くにできた京阪電車中之島線なにわ橋駅(設計は安藤忠雄建築研究所)も含め、またゆっくり拝見したいものだ。
3/28。心斎橋のホテルから地下鉄で淀屋橋へ。
梅田駅や心斎橋駅に比べると、淀屋橋駅のヴォールト天井はややスケールダウンしており仕様も簡素。それでも御堂筋線名物・40W蛍光灯の巨大ペンダントライトはしっかり取り付けられている。
こちらのペンダントライトはミガキ仕上げのスチールパーツが蛍光灯と同じくらいに存在を主張する武骨でレトロフューチャーな造形が特徴。中央の円筒型パーツ下面に埋め込まれたダウンライトは使用されていない様子だった。
ブログ内の記事検索ツールとして「tag cloud」を追加導入しました。いささか今さらな感じではありますが、過去記事にタグをつけるのが大変だったんですよ。でもけっこう便利かも。ページ上のメニューからご利用下さい。
love the life / life : tag cloud
3/27。『落語家と行く なにわ探検クルーズ』後に地下鉄で鶴橋へ移動。雀のおやどで『還暦記念 桂雀三郎30日間連続落語会』。終演後、焼肉・ホルモン店『空』鶴橋本店で夕食。
JR大阪環状線高架脇・鶴橋西商店街は西日本有数の焼肉店密集地。十数年前に訪れた時、この辺りは店先と街路がごっちゃに連なりそこら中がもうもうと白煙の立ちこめる混沌とした場所だった。今は大方の店が小綺麗な設えとなり視界は良好。危険な雰囲気もすっかり薄らいだ。そんな中、商店街深部の細い路地を挟んで4つの店舗区画を専有する『空』のまわりには昔ながらのワイルドな鶴橋のイメージが色濃く遺されている。「深部」とは言っても街区そのものがさほど広くないため、店にはほとんど迷うこと無くたどり着くことができた。
この日は南西区画のテーブル席へ。白い化粧板に覆われ、蛍光灯に照らされた店内は明るく、香しい油煙に満たされている。別の区画にはカウンター席があり、一人客も相当数訪れている様子。何とも使い勝手の良さそうな店だ。ミノサンド、ハチノス、ウルッテ、ツラミ、カルビスジ、上バラ、ユッケなどを一気に注文。
上の写真はハチノス、ミノサンド、ツラミ。甘めながらさっぱりとした漬けダレの味付けのみでいただく。特に驚いたのがハチノス。ふわふわの上品な食感があまりに素晴らしく、この後何度も追加することに。ほとんど一生分のハチノスを摂取したのではないかと思うくらいに堪能させていただいた。ツラミ、ミノサンドの濃厚な味わいにもうっとり。
上の写真手前がウルッテ。細かな包丁による丁寧な下ごしらえ。コリコリの歯触りが実にいい。写真は撮り忘れたが、テッチャンもまた極上。
通して単品のボリュームが控えめで、値段はそれ以上に控えめなので際限なく追加注文しても安心だ。激しく満腹になった後、会計の安さに改めて驚愕。焼肉の街・鶴橋の凄さと有り難みを思い知らされた。
空 鶴橋本店/大阪府大阪市天王寺区下味原1-10/06-6773-1300
17:00-0:00(日祝16:00-)/火休(祝日の場合翌日休)
3/27。大阪へ3日間の小旅行に出発。主なミッションは落語会。
心斎橋のホテルに荷物を置くとすぐさまタクシー移動。湊町リバープレイスの窓口で手続をして船着き場に降り、きらり号に乗船。『落語家と行く なにわ探検クルーズ』へ。この日16時便の案内役は笑福亭呂竹さん。
船は道頓堀川を西へ。道頓堀川水門を抜けて木津川を北上し、中之島北側の堂島川(旧淀川)を東へ。大川に入って少し北上したところで折り返し、東横堀川を南下。水門を抜け、再び道頓堀川に入って湊町船着場へ還ってくる。途中、呂竹さんの案内で落語『あみだ池』(和光寺)と『お血脈』(善光寺)の関連などについて興味深く伺う。造幣局の桜がまだほとんど咲いていなかったのはちょっと残念。
大阪市内を流れる堀川の水位は付近の地盤沈下のためやたらと高く見える。上の写真は中之島と堂島浜を繋ぐ大江橋(1935)あたり。橋と水面との間隔が極めて狭い。こうしたスキ間を通るため、堀川を運行する船の形状はかなり平べったい。この日乗ったきらり号は航路の条件に合わせて客室部分の船体そのものが上下する。船体を高くすると窓は全開になり、低くすると窓は閉じられる。川風の当たる開放的なクルーズと、水面ギリギリの目線を交互に体験できるのが面白い。
一番盛り上がったのはやっぱり道頓堀川戎橋界隈。上の写真はドンキホーテの見上げ夕景。
こちらはグリコ。
この場所で、これだけ川面の近くにいても嫌な匂いはほとんど全くと言ってよいほど感じられない。実に快適なクルーズだった。『野崎詣り』や『三十石船』、『遊山船』の風情は望めないが、21世紀の水都大阪もなかなか楽しいものだ。
4/19(日)の14:00から『元浅草勉強会 01』を開きます。
ショートレクチャーのお題は『インテリアデザイン夜明け前 - 昭和初期から』。まずはウィリアム・モリスからバウハウスへ至るモダンデザインの系譜とその周辺思想のアウトラインを10分くらいでなぞります。さらに森谷延雄の登場から剣持勇のアートディレクションによる京王プラザホテルの竣工までを日本のインテリアデザインの「黎明期」と位置づけざっくり概観。「デザイン」の展開がそもそも室内装飾からはじまったことを再確認しつつ、インテリアデザイナーがその独特の立ち位置を見出すまでの前段階について解説してみます。
ティータイムにお出しするオルタナ系日本茶はまだ未定。おそらくなかやす園(静岡・伊久美)のストレート茶をご用意できるんじゃないかと思います。
至って敷居の低い、ちいさな勉強会です。どなたもどうぞお気軽にお申込み・ご来訪下さい。
元浅草勉強会 01
ショートレクチャー担当:love the life(ヤギタカシ・勝野明美)
テーマ「インテリアデザイン夜明け前 - 昭和初期から」
・日程 :2009年4月19日(日)14:00より
・場所 :love the life アトリエ(住所などはこちら)
・お茶代 :一般 1000円,学生 500円
・各回定員:だいたい5名様くらい(申込先着)。
・申込方法:メールでどうぞお気軽に。
ご参加日、お名前、ご連絡先、ご参加人数、
一般・学生の区別をお知らせ下さい。
元浅草勉強会の概要はこちら。
レクチャーで love the life がお世話になっている青山の穴場スペース『OVE』で4/9(木)落語会が催されます。登場されるのは考えうる限り最も青山の地が似合うであろう落語家の一人・古今亭菊之丞師匠。「お茶のある暮らし」がテーマのお洒落なイベントの一環なのですが、根多出しされているのが『茶の湯』他一席。内容がアレなだけになんとも挑戦的でデンジャラスな感じです。前売りなら3000円でお菓子(この会のためのオリジナル)とお茶付き。ちょっと心配なくらいに贅沢かつ良心的です。落語ファンなら足を運ぶ価値は十二分。青山近辺にお勤め・お住まい方ならもちろん必見。落語を見たことが無い方にも最初から良いものをご覧になることのできる絶好の機会としてお薦めします。私たちも楽しみにしています。
古今亭菊之丞独演会
「茶の湯」他、一席/お菓子とお茶付き
・日時 4/9(木)19:00開演
・場所 OVE(オーブ)
・木戸銭 前売り3000円(当日3500円)
3/9。浅草で雑用諸々。ついでに『亀十』と『栃木家』でおやつを調達した。『栃木家』に伺ったのはこの日が初めて。伝法院通りの北側に店を構える生ゆば・豆腐専門の製造販売店。店でもらう袋には明治20年(1887)の創業と印刷してあるが、ウェブ上には1948年創業との情報もある。とにかく歴史のある店らしい。
木製パネルに太い筆文字調書体の店名が黒々と掲げられた看板。その下にある紺色のテントをくぐると、ほんの2、3歩先にレジカウンターを兼ねたショーケースが置かれている。わずかな店先を見回すと、目当てのおからドーナツがちいさなかごにちょこんと収まっていた。残りふたつのところを首尾よくゲット。木綿豆腐とがんもどきも購入してアトリエへ戻る。16:00過ぎ。
ビニール袋のパッケージには直径6cmくらいの小振りなドーナツがみっちり5個。早速いただく。
心地良い弾力が「もっちり」と伝わり、つづいて「サクっ」と割れる独特のテクスチャー。甘味はかなりの控えめ。さっぱりとした後口で、コーヒーにも日本茶にも合う。これはいい。浅草では貴重な(やや)洋風のおやつを発見することができた。
固めで大豆の風味濃厚な木綿豆腐。ジューシーながんもどき。どちらも美味い。今度行く時は生ゆばもぜひいただいてみよう。
栃木家/東京都台東区浅草2-2-1/03-3841-5731
9:00-19:00(日祝10:30-18:00)/不定休